以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

天高く馬肥ゆる秋
2014年11月
福島県農協会館診療所(所長)
重富 秀一

 「天高く馬肥ゆる秋」というのは、「秋のさわやかな季節を表す言葉」ということになっていますが、語源は「秋高馬至」、それが「秋高馬肥」として日本に伝わりました。
 「秋になると北方から騎馬民族が、肥えて屈強な体型になった馬に乗って南下し、農作物の強奪にやってくるから、その侵略に備えて警戒せよ」というのが本来の意味だそうです。
 この言葉、私はほのぼのとした感じがして好きなのですが、「馬肥ゆる」という個所がメタボリックシンドロームを連想させるためか、最近はあまり使われないように感じるのは気のせいでしょうか。
 ところで、お腹の中には脂肪があって栄養を蓄えているということはご存じと思います。脂肪細胞は飢餓に備えてエネルギーの摂取と消費(食事と運動)のバランスが保たれていれば特に問題はありませんが、「食欲の秋」、うっかり食べ過ぎると余ったエネルギーは脂肪細胞に蓄えられます。内臓の脂肪細胞にエネルギーが蓄積されて肥大化すると、その細胞から動脈硬化を促進させるように働く様々な物質が分泌されることがわかっています。
 みなさん、臍周りの腹囲を測ってみてください。男性で85cm、女性で90cm以上あったら要注意です。健康診断で血液検査の結果で要注意がついていたら、さあ大変、普通の人よりも早く動脈硬化が進行する可能性があります。今のうちに生活習慣の修正を心がけましょう。もし、本気で心配になったら健康診断の結果を持って診療所にお越し下さい。病気を早期に発見して治療することが重要であることは言うまでもありませんが、病気になる前、いわゆる「未病」のうちに養生し、病気になららいように心がけることはもっと大切です。