以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

「総合診療科」について、「からだの学校」について
2015年11月放送
白河厚生総合病院 医師
高田 俊彦

 みなさん、おはようございます。白河厚生総合病院総合診療科の高田俊彦と申します。今日は、この4月に新しく出来た総合診療科についてのご紹介と、総合診療科で行っている健康に関するプロジェクト「からだの学校」についてお話させていただきます。

 みなさんは総合診療科と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。NHKで放映されているドクターGのように難しい病気を診断するようなイメージでしょうか。それとも昔ながらの何でも診療する、地域に根ざした赤ひげ先生のようなイメージでしょうか。実は、2017年度から総合診療専門医が新しくできるのですが、その中身については今なお盛んに議論されているところなのです。白河厚生総合病院の総合診療科は、この4月から医師6名で開設したところです。ご自身の抱えていらっしゃる問題が何科で診てもらえばよいのかわからないような方、複数の疾患を合併しているような方、これまで白河厚生総合病院にないリウマチなどの膠原病が疑われるような方などを中心に診療を行っています。専門科の医師の治療が必要な場合や、地域の医療機関での診療が適しているような場合には、状況に合わせてご紹介させていただいています。ご自身の症状やお持ちの病気について、総合診療科での診療が適しているかお知りになりたい方は、白河厚生総合病院総合診療科の外来受付までお問い合わせください。

 さて、私たち総合診療科は、病院内での診療はもちろんですが、それ以外に地域における予防医療にも貢献したいと考えています。その一環として、「からだの学校」というプロジェクトを行っています。「からだの学校」は健康について学ぶための学校をイメージしたプロジェクトです。学校といっても実際に通学したり、授業に出たり、テストを受けたりしていただくわけではありません。参加者のみなさんに健康のための生活習慣について学んでいただくことを目的としています。なぜそのような必要があるのでしょうか。今、日本は世界でも最も平均寿命の長い、長寿国です。医療の技術が進み、衛生環境などが改善した結果と考えられます。しかし、寿命が伸びればそれでよいのかというとそうではありません。寿命が延びたとしても、元気に晩年を迎えられる方がいる一方で、残念ながら寝たきりのような状態で過ごされる方もおられます。最近では、元気に日常生活を送れる期間を健康寿命と呼びます。平均寿命を伸ばすことももちろん大切なことですが、それだけでなく健康寿命を伸ばす、つまり健康長寿を目指しましょうということがよく言われるようになってきました。では、健康長寿を実現するためには、どうすればよいのでしょうか。健康寿命が短くなってしまう原因として多いのは、生活習慣病に関連した脳卒中や心臓病であることがわかっています。つまり、健康長寿のためには、この生活習慣病を予防する必要があります。その名前の通り、生活習慣病は、みなさんの生活習慣の影響が大きい病気ですから、薬で治すというよりも、健康的な生活習慣で予防することが大切です。長くなりましたが、からだの学校は、この健康的な生活習慣について知っていただくためのプロジェクトです。

 では、からだの学校ではどのようにして、健康的な生活習慣を知っていただくのかについて説明したいと思います。参加いただいた方には、からだの連絡帳、という手帳を使って、健康に関連する生活習慣について、日々の記録をつけていただきます。携帯電話を使ったバージョンもありますので、ご興味をお持ちいただけた方はお問い合わせください。手帳の場合は、みなさんの生活習慣を記録したからだの連絡帳を、提出箱という機械に読み込ませていただきます。提出箱は、白河厚生総合病院と西郷村健康保健福祉センターに設置しています。機械の使い方は簡単ですし、係の者がお手伝いしますので、ご安心ください。からだの連絡帳を提出いただくと、つうしんぼという形でみなさんの生活習慣について、先生からコメントが印刷されてきます。つうしんぼの結果を活かして、みなさんの生活習慣をもっと健康的なものにしていっていただければと思います。また、提出箱に連絡帳を提出すると、からだポイントがもらえます。このポイントは、本プロジェクトに協賛いただいているJAしらかわ り菜あんで、季節の特産物などと交換したり、抽選に応募したりという形で使うことができます。ポイントを使った企画を11月に行う予定です。健康的な生活習慣について知っていただき、更にお得なポイントがついてきます。ぜひ、からだの学校にご参加ください。

 からだの学校は、40歳以上の方であればどなたでもご参加いただけます。白河厚生総合病院1階の新患受付でご案内していますので、ぜひお問い合わせください。参加に必要なものは、住所がわかる書類、保険証の2つです。参加費は必要ありません。また、今年の10月から西郷村との連携が始まりました。西郷村住民の方は、西郷村保健福祉センターで受付可能ですので、ぜひお問い合わせください。多くの方にご参加いただき、この地域全体の健康に少しでもお役に立つことができればと思います。

 本日は、総合診療科とからだの学校プロジェクトについて紹介させていただきました。お時間をいただき、ありがとうございました。今後とも白河厚生総合病院総合診療科とからだの学校をよろしくお願いいたします。