以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

「糖尿病について」
2019年11月放送
白河厚生総合病院
外来看護師 佐々木 洋子

みなさんおはようございます。
JA福島厚生連 白河厚生総合病院外来看護師の佐々木と申します。
まずはじめに台風19号により甚大な被害にあわれました農家の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
さて、本日は糖尿病についてのお話をさせていただきます。
本日のお話しする内容は、「糖尿病について、どんな病気か、種類・原因・治療、合併症について」、「日本人の平均寿命について」の順番でお話ししていきます。
(糖尿病について)
 はじめに糖尿病とはどんな病気かお話しします。糖尿病はインスリンの作用不足により血糖が高くなってしまうのです。インスリンは膵臓で作り出されて血糖を正常範囲に保つ役割をしますが、体内のインスリンの作り方や使い方に問題がおき、摂取した食物エネルギーを正常に代謝できなくなる病気です。
 次に糖尿病の種類、原因、治療についてお話します。
糖尿病は大きくわけて2型糖尿病と1型糖尿病の2つのタイプがあります。膵臓はインスリンを作り出しますが2型糖尿病ではインスリンの量が十分作れない、又は作られたインスリンが十分に作用しない、40歳を過ぎてからの発症がほとんどで糖尿病と診断された割合の10人に9人は2型糖尿病です。要因はさまざまで食生活などの環境因子と遺伝の組み合わせでおこります。治療は食事・運動・内服・インスリン治療です。
1型糖尿病とは、膵臓からインスリンを全く作ることが出来ない病気です。糖尿病と診断された10人に1人の割合で、若い人に多く年齢に関係なく発症します。治療はインスリン治療が必須の病気です。
 次に合併症のお話をします。糖尿病は神経・目・腎臓などに様々な障害を起こします。また心臓や脳卒中など直接死亡原因に関係する動脈硬化を引き起こすこともあります。死亡率を高める心臓病や脳卒中など関係します。自覚症状がなくても合併症が進み気づいた時には日常生活に支障が現れているということが少なくありません。合併症の予防、悪化を防ぐために血糖をコントロールすれば合併症を予防出来るのです。
そこで皆さん糖尿病かな・・・と思ったら
初期は自覚症状がほとんどありません。健康診断で糖尿病と言われてもピンとこなくて放置するひともいるでしょう。しかし自覚症状が出たときにはすでに合併症が進んでいることも少なくありません。糖尿病は放置すればするほど治療が難しくなる病気です。
糖尿病の代表的な症状として
1.喉がすぐ渇き水をよく飲む 2.おしっこの回数が多く量も多い 3.疲れやすい
4.お腹がすいてよく食べるのに体重が減る 5.足がつったりしびれる 6.目がかすんだり黒い点が見えたりする 7.ちょっとした傷が治りにくい 8.男性の場合性機能の問題が生じる、などがあります
このような症状があるときは専門機関で一度診てもらってください。
そして年1回の健康診断を受けて、糖尿病の早期発見に努めましょう。

(平均寿命)
次に平均寿命についてお話しします。
みなさんは日本人の平均寿命を知っていますか?
2017年、男性81.09歳、女性87.26歳です。
みなさんはピンピンコロリという言葉を耳にしたことはありますか?
 「ピンピンコロリ」とは、最期まで元気に活動して天寿をまっとうすること。長寿国日本は ねたきり大国、他の国に比べピンピンでなくネンネンコロリが際だって多いと言われています。みなさん、ネンネンコロリにならないためにも適度な運動と食事の改善、年1回健康診断をうけ異常の早期発見をするなどを心がけてください。
 当院では糖尿病教室を月1回開催しています。参加は無料で糖尿病の方、糖尿病出ない方家族などどなたでも参加出来ます。予約は不要です。毎月第4火曜日8時45分から30分~1時間程度です。今日のお話により糖尿病に関心を持たれた方、1人でも多くの参加をお待ちしております。そして1人でも多くのかたが健康に関心をもち「ネンネンコロリ」でなく「ピンピンコロリ」を目指して頂きたいと思います。
 
 最後に、台風・地震などの災害時どのような準備をしておけばよいかお分かりですか?
避難を余技なくされお薬やインスリンが手元にない場合もあります。そんな際は新たにお薬を出してもらう必要がありますが自分薬の名前がわからず困ったケースがありました。ご自分の飲んでいる薬やインスリンの名前や色を覚えておくことや避難場所にお薬とお薬手帳を持って行くことを忘れないでください。

 皆さんの健やかな生活を祈願し本日の私の話を終わらせて頂きます。朝早くからお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。