以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
JA福島厚生連からの最新の情報は、TOPページからご覧ください。



Dr.メッセージ

骨粗鬆症
2002年9月

 骨粗鬆症は最も頻度が高い骨の代謝異常です。
加齢とともに増加し、患者の80%が女性で、特に閉経後の女性がかかりやすく、加齢とともに進行しますが、予防と治療が可能です。

 骨粗鬆症は全身の骨量が減少して骨折しやすくなる病気で原因のほとんどは加齢に伴う生理的な変化です。特に閉経後の女性が重症になることがあります。小柄で骨の細い、やせ型の人がかかりやすく、日本人は人種的にもこの病気になる頻度が高く、予備軍も含めると1000万人はいます。


 骨は生きています、一生を通じて新しい骨が形成され、古い骨が吸収されていく再生過程が続きます。20歳までは骨が形成される方が、吸収される量より多く、骨は成長を続けますがほぼ30歳でピークを迎えます。その後は徐々に形成量が減り、吸収量が増加します。


 この過程が加齢により進むのです。また女性ではこの骨量減少は閉経を過ぎると急速に進行し、閉経後の数年間は大きく減少しますが、その後は加齢とともに緩やかに減ります

[骨の構造]

 骨格を形成している主要な太い骨は3つの部分からできています。
外側は緻密で硬い層(緻密骨)でできていて、この部分が骨の中で最も強い部分です。

 ここにコラーゲンと呼ばれるたんぱく質が緻密に、何層にも重なった柱構造が無数に並び、その上に高い密度でカルシウムが沈着しています。

 緻密骨の内側にはコラーゲンがメッシュのように張り巡らされて、ハチの巣のような構造になっています。ここにも、カルシウムなどのミネラルが大量に沈着しています。その内側は血管と骨髄です。

 このように、骨の40%はタンパク質、60%はカルシウム塩です。骨粗鬆症になると、カルシウム塩、コラーゲン等が減少します。そして、それを支えるタンパク質、ハチの巣状になっている支持組織のコラーゲンも減少するので簡単に骨折するのです。

[骨粗鬆症の原因]

 30歳を過ぎると、差はありますが骨量の減少は例外なく出現します。しかし、大きな個人差があり生活環境によっても異なります。

【リスク因子】
 2つに分けられ、1つは、自分では変えることのできない、回避できない因子です。もう1つは、回避できる因子です。

回避できないリスク因子 ・女性、閉経
・加齢、高齢でリスク増加
・体型、小柄で華奢な体型
・人種、日本人は比較的リスクが高い。
・家系、血縁に骨粗鬆症患者がいる。
回避できるリスク因子 ・ホルモン機能低下、無月経、月経の不順
・神経性食欲低下症、過激なダイエット
・やせすぎ
・栄養障害、カルシウム、ビタミンDの不足
・喫煙
・アルコール中毒
・慢性疾患、リウマチ、慢性肝炎、慢性腎炎
・運動不足、非活動的な生活習慣


[運動不足]

 骨格は運動しないと急激に衰えます。例えば、ベッドに寝たきりで長い間、体を動かしていないと骨量の減少は加速します。これは健康な普通の生活をしている骨粗鬆症と無縁の人にもおこります。


 健康な骨を維持するのは運動によって骨に負荷(特に垂直方向に)をかけることが不可欠です。例えば、宇宙飛行士は1週間も宇宙にいて地球に戻ると筋力は低下し、骨量も減少します。宇宙でカルシウムを摂取しても骨に吸収されないで尿に出てしまします。重力に逆らう運動、例えばウォーキング(やや速歩)、ハイキング、階段上り、ウエイトトレーニングなどが有効です。

[喫煙]

 喫煙は肺、心臓だけでなく骨格にも大変に有害です。
女性の喫煙者は閉経になる年齢が早まり閉経後の喫煙はエストロゲン量低下がつづき補充療法が必要になる場合もあります。


 また、喫煙はカルシウムの吸収を阻害します。

[アルコール]

 大量の飲酒は骨の代謝を阻害します。習慣生の飲酒者、アルコール中毒患者は栄養障害、転倒の危険などで骨量減少、骨折の危険性が高いのです。