以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

消化の開始
2003年3月

 消化とは、食物中の複雑な化学物質を体内に吸収されやすい単純な化学物質に分解するプロセスです。消化は口、食道、胃、小腸、大腸、直腸からなる消化管で行われます。

[1、かみ砕く]

 消化は口で開始され、歯で食物をかみ砕き、唾液と混ぜ合わせます。舌はまず首やあごの筋肉と共に食物をかみ砕くために歯の近くに食物を移動させます。また味覚も関係します。

[2、飲み込み]

 飲み込みの最初は随意的です。かみ砕く行為が終了すると、舌が硬口蓋を押し上げ、食物は口の奥に押しやられます。そこで、かみ砕かれた食物は、柔らかな塊(食物塊)となります。
 食物塊は咽頭内に押し込まれ、そこで反射作用で飲み込まれます。舌は食物が口に逆流するのを防ぎ軟口蓋は鼻腔をふさぐために上部に移動します。その後、喉頭蓋が気管をふさぎ、喉頭筋は食物塊を絞り出すように食道に送ります。

[3、食道]

 食道は、長さ約25cmの弾力性のある筋肉でできた管で、食物が通過しやすいように、内側が粘膜で覆われています。外壁には、筋肉があり管を動かします。

・蠕動運動
 食物塊の存在によって自動的に蠕動運動が開始され、その収縮によって、食物塊は徐々に胃へと運ばれていきます。
 通常、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいるのは、食道の筋肉壁です。これが食道下端に括約筋を形成しています。

[4、胃]

 胃の役割は、食物の貯蔵庫として働くことと、たんぱく質や脂肪の消化プロセスを開始することです。胃壁は上下、斜め、対角線状に走る筋肉からなります。これらの筋肉の周期的な収縮によって食物と胃液を混ぜ合わせ、キームスという濃厚なクリーム状の酸性液を作り出します。胃には平均1-1.5リットルのキームスが含まれますが、もっと大量に収容するために広がることもできます。
 満杯になると、胃の長さは25-30cm、最も広い部分の直径が10-12cmあるボクシングのグラブのような形になります。空っぽになると胃壁が収縮し粘膜にひだができます。


・消化液
 胃壁に埋め込まれた線に含まれるさまざまな分泌細胞が協同し、胃液を作ります。
塩酸は胃酵素、ペプシンを活性化し、多くのバクテリアやその他の微生物を死滅させ食物を殺菌します。
 胃液は3つの酵素を含みます。
 ・レニン:乳成分を凝固し、成人より子どもにとって重要です。
 ・ペプシン:たんぱく質をペプチドに分解させ、たんぱく質の消化を開始します。
 ・リパーゼ:脂肪を脂肪酸やグリセロールに分解します。

※胃の内容物は、かみそりの刃を溶かすほどの強酸性です。これに消化されないよう、胃壁はアルカリ粘液層で保護されています。さらに胃内壁の細胞は毎分50万個の割合で置き替わります。そのため、胃は事実上3日ごとに新しい内壁に置き替わります。