以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

C型肝炎とは(その2)
2003年12月
農協会館診療所
所長 伊勢 重男

 前回はヴィールス性肝炎(B型、C型)がどのようなものかお話しました。
 もう一度復習しますと、わが国での肝炎はほとんどが肝炎ヴィールスの感染によるものとされております。(ヴィールス以外の肝炎としてはアルコール性肝炎が有名です。)

[早かったB型肝炎ヴィールスの発見]

 B型肝炎は1960年代に比較的早くから発見され、その感染はほとんど輸血や血液製剤を注射されたことによって起こることが分かっていました。それ故輸血などに使用された血液はB型肝炎ヴィールスが混入されているかどうか検査を受けて、安全なものだけが使用されてきました。しかしそれ以前に輸血された方は、勿論B型肝炎に知らないうちにかかっている可能性はある訳です。


[さらに新しい肝炎ヴィールスが]

 一方、B型肝炎ヴィールス(HBV)の検査法が確立された後も、輸血後肝炎が発生し続け、長い間その原因が分からず学者の頭を悩ましてきました。
 1988年になってようやく第三の肝炎ヴィールスが発見されました。これがC型肝炎ヴィールス(HCV)と名付けられた新しいヴィールスです。このヴィールスを検出できる検査法が普及したのはたかだか、12、3年前のことです。

[肝臓癌増加の原因として]

 したがって、12、3年前まではB型肝炎ヴィールスが混入していない血液を使用しても、その中にはC型肝炎ヴィールスを含む血液が使用されてきたことになります。このヴィールスを保有しながらまだ症状が現れていない人を「キャリアー」と呼ぶことは前回お話した通りです。
 こうして長い間体内に潜伏していたHCVが後になって活動し始めてC型肝炎を発症したり、この肝炎のなれの果ての肝硬変を経て肝癌にかかる人が急増してきました。

[C型肝炎緊急総合対策の発足]

 そこで厚生労働省では、B型肝炎対策も含めた「C型肝炎緊急総合対策」なる政策を実施することに決定しました。
 平成14年度から、この政策にのっとって、各市町村における住民基本健診に「肝炎ヴィールス検査」も追加されました。

[肝炎ヴィールスの節目検診とは]

 こうして、住民基本健診に肝炎ヴィールス検査が行われることになった訳ですが、ただすべての健診対象者にこれを実施することは、物理的・経済的に困難ですので、年度における対象者を絞りました。
 すなわち、40歳以上の受診者を5歳きざみに分け(5歳きざみの節目検診)該当する年令者に実施することになりました。

平成15年度節目検診該当者

年代
該当生年月日(昭和)
40歳
昭和38年4月1日~昭和39年3月31日
45歳
昭和33年4月1日~昭和34年3月31日
50歳
昭和28年4月1日~昭和29年3月31日
55歳
昭和23年4月1日~昭和24年3月31日
60歳
昭和18年4月1日~昭和19年3月31日
65歳
昭和13年4月1日~昭和14年3月31日
70歳
昭和 8年4月1日~昭和 9年3月31日


(注意:節目検診に該当する年令であっても誕生日によって該当しない方が出てくるので注意して下さい。)

 ただし節目検診該当者でなくても、次の条件を満たす方は基本健診で受けることができます。
1 過去に肝機能異常を指摘されたことがある人
2 大手術や、大きな外科的処理を受けたことがある人
3 分娩時に大量に出血したことがある人で、その後は定期的に肝機能検査を受けていない人。

[肝炎の早期発見早期治療のために]

 勿論、節目検診に該当しない方でも、昔輸血された経験を持つ方は、積極的に検査を受けることをおすすめします。
 こうしてHBVやHCVを持っていることが判明した方は、今後の方針を医師と相談して下さい。
 感染して感染していると知らずにいて、無自覚のうちに肝炎から肝硬変にHBVやHCVに進み、ひいては肝癌に陥るのが最もこわいのです。何事も早期発見早期治療です。早く対策をとっていれば、何も恐ろしいものはありません。