
| なぜ運動が必要か=健康増進のための運動とは= |
2004年1月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男
(日本体育協会公認スポーツドクター)
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| [はじめに]
明けましておめでとうございます。「一年の計は元旦にあり」ということで、健康のために運動を始めようかと決心された方も多いのではないでしょうか。
ただ運動のモチベーション(動機付け)をしっかり持っていないと、せっかく運動を始めても長続きせず、三日坊主に終わった例を多々みてきました。運動の必要性をしっかりとご理解いただき、「継続は力なり」を実践していただきたいと思います。
[運動不足がもたらす肥満]
昔は肥満に悩むという人は少なかったようですが、現在飽食の時代と云われるようになってから、肥満に悩む人が多くなりました。私も肥満を解消するよう指導する機会が沢山あります。
肥満というと健康上目の敵にされますが、肥満そのものは特に病気というわけではありません。ただ肥満はいろいろな病気、とくに生活習慣病の誘因(引き金)になるので問題となるのです。生活習慣病の代表として近年特に問題になっているのが糖尿病です。
[糖尿病も運動で改善]
糖尿病は、従来の日本型生活習慣から欧米のライフスタイルへの移行、それと社会環境の変化にともなって恐ろしいスピードで増加しています。糖尿病は今や国民病ともいわれる位です。平成12年の厚労省調査では、糖尿病予備軍(群)は約1620万人とみられています。これに要する治療費は1兆1200億と推定されます。
このような糖尿病を予防するため、引き金となる肥満解消が強く求められています。また糖尿病治療の基礎は運動療法と食事量法のこともあり、運動の重要性が強調されています。この二者のみで薬を服用することなく改善してしまう患者さんも多いのです。
[運動の効用]
運動は糖尿病予防のためにだけある訳ではありません。運動が健康のために良いことは次のような利点があるからです。
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運動すると血液の循環がよくなり、動脈硬化を予防する。つまり血圧も安定するわけです。 |
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筋肉の衰えを防ぎ、体力を強化することからボケ防止、寝たきり状態になるのを防ぐ。 |
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骨の老化を防ぐ(骨粗鬆症予防)。 |
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暑さ寒さなどの環境の変化に強くなり、体の抵抗力が増す。 |
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一汗かいた後の心身壮快感はストレスの解消に役立つ。 |
[若い人ももっと運動を]
中高年者に運動をすすめる理由は、以上のことからなのですが、最近の若い方々にも強くおすすめしたいところです。
なぜなら、若い人達の間にも生活習慣病のもとになる高脂血症(高コレステロール・高中性脂肪)や高尿酸血症を有する人が増加しつつあり、またそれらを伴った肥満の人が増えてきているからなのです。
今日本は世界一の長寿国なのですが、果たしていつまでこの記録が保持されるものなのでしょうか。若い人達の若年寄化がとても心配です。
ですから、若いうちからこそ生活習慣病予防が非常に大切なことであり、そのためにも運動不足に陥らないようにすることと栄養の偏りの是正(ファストフードからスローフードへ)が強く求められているのです。
[正しい運動を身に付けましょう]
以上のように運動の重要性をよく理解して実行していただきたいのですが、運動はやみくもにやればよいというものではありません。運動の仕方によっては、逆に体を壊したり、怪我をしてしまうこともあります。
運動で効果的な成果を得るには、正しい知識とそれなりのちょっとしたコツがいります。次回はその具体的なやり方についてお話する予定です。
(つづく)
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