
| なぜ運動が必要か=健康増進のための運動とは(その2)= |
2004年2月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男
(日本体育協会公認スポーツドクター)
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| [はじめに]
前回は運動の有効性について述べてまいりました。今回は運動の効果を最大限高めるためのコツについてお話ししたいと思います。
[不適切な運動は危険]
せっかく運動する気になったのなら、運動した分だけ健康のためにメリットが得られるように運動しましょう。
一時、ジョギングが健康のために良いと大変流行したことがありました。しかしこれも医学的なチェックを受けてから始めないと危険な場合もあります。体力・年令に応じた走り方をしないと、かえって害になることもあることがわかってきました。(アメリカのジョギング提唱者である医師がジョギング中に急死した事例が発生し、新聞・テレビなどで大体的に報じられたのを憶えている方もおられると思います。)
不適切な運動はかえって健康を損なうこともありますが、くれぐれも注意が必要です。
[適切な運動強度とは]
それでは、生活習慣病を予防し、健康増進のためには一体どの程度の運動をすればよいのでしょうか。
厚生労働省の提案によれば、各年令層に応じた運動強度を『毎日20分程度』続けることが最も効果ありとされています。
運動強度の目安は運動中の脈拍をみるのが最も簡単かつ正確とされています。運動中に自分の手首の脈拍を15秒測り、4倍して1分間の脈拍をみます。こうして脈拍を測りながら、表の年令に応じた脈拍を維持するようにします。このペースを守ることで運動の最大効果を狙いましょう。
(表)健康づくりのための運動所要量
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年齢
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20代
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30代
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40代
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50代
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60代以上
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一週間の合計
運動時間(分)
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180
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170
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160
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150
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140~120
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目標脈拍数
(回/分)
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130
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125
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120
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115
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110
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年令が上がるにつれて、運動強度も軽くなっていることに注目して下さい。
[実行し易い運動を]
健康づくりのために適当な運動としては(1)速歩(2)軽いエアロビクス(3)自転車こぎ(4)水泳 などが奨励されています。
このうち最もおすすめなのが速歩(ファーストウォーキング)です。現代人は歩くことが少なくなったので、体力が落ちてきたといわれています。そこで『一 日一万歩運動』が提唱されたわけですが、漫然とした散歩などで「一万歩」歩くには2時間以上かかってしまいます。ですが、前述のような運動強度でやる「速 歩」(早足)であれば30分以内で済ませることができますから、時間的にも実行し易いでしょう。
[歩き方の要領]
速歩の要領は「毎分100m位の速度」で歩くことです。これを毎日25~30分継続するのが望ましいのです。そして以下の歩き方をすれば一層効果があるでしょう。
1.歩幅はひざを伸ばして、できるだけ大またで歩く。
2.姿勢はあごを引いて背筋を伸ばし、お腹を締める。
3.歩く速度と距離は「3kmを25~30分かける」のを目安にすればよい。
(毎分100m、時速5~6km)
4.手は無理のない程度に大きく振る。
5.足はかかとから着地し、つま先のけりを大きくする
こうした歩く要領を実行すれば、終った後はうっすらと額に汗をかいて、少し脈が速くなったのを自覚するでしょう。このコツを会得すればしめたものです。
いかがですか。この程度の運動なら明日からでも実践できそうと思いませんか。
[おわりに]
以上、若い人には将来の生活習慣病の予防となり、あるいは中年以降の方には、健やかな老後を迎えるためお役に立つ方法をお話しました。
『思い立ったら吉日』です。明日からでもぜひ実行してみて下さい。
(この項おわり )
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