以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

= 御用心「隠れ緑内障」 =
2004年11月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

[緑内障とは?]

眼球のレンズ(水晶体)の前方には、眼房という小さな袋状の部分があります。その中には常に一定量を保ちながら眼房水という液体が流れています。流れの量が一定ならば、眼房内の圧力(眼圧)は適切な一定の圧力で保たれている訳です。
この流れのバランスが何らかの理由で崩れ、房水が眼房内に多くたまるようになりますと、当然眼圧は高まります。高まった圧力は、眼球の奥にある視神経を圧迫し、傷付けるようになります。
その結果、見える範囲の一部が欠けたり(視野欠損)、狭くなったり(視野狭窄)というような症状が現れます。この状態が緑内障と呼ばれています。進行すれば、最悪の場合失明に至ります。

[忍び寄る緑内障の怖さ]

緑内障は急激に進行し、頭痛や吐き気を伴うようなものもありますが(時に偏頭痛と誤診されることもあります)、大抵は10~15年以上かけてゆっくりと進行する場合が多いのです。したがって初期は自覚症状に乏しいのです。片方の視野が欠けてしまっていても、反対側の眼がそれを補うため、初期段階では気付かずに過ごしてしまうことも珍しくありません。この時期は「隠れ緑内障」と言われています。視神経は一度やられてしまうと回復することは難しいので、気付いたときはもう手遅れというケースも少なくないようです。
若いときは普通に見えていたのに、人生の途中から失明する例は、糖尿病性網膜症が最も多いのですが、次に多いのが緑内障なのです。このことは案外知られておりません。

[以外に多い緑内障]

平成12年から13年にかけて、緑内障に関して日本で初めてといってよい大規模な有病率調査が行われました。その調査によりますと、多治見市住民のうち40 才以上においては17人に1人の割合で(5.7%)緑内障にかかっているという驚くべき結果が出ました。疑いのある人も含めると50人につき4人という割合になりました。しかも年齢が高くなるにつれて増加する傾向があることも認められました。
平成2年に行われた調査に比べますと、2%以上増加していることも分かりました。つまり原因は不明ですが、緑内障は増加する傾向にあるといえます。
この調査でいえることは、治療を受けていた人は約2割に過ぎず、疑いも含めて8割以上の人がこの病気にかかっていることに気付かずにいたという事実です。

[眼科検診のすすめ]

失明を防ぐには、隠れ緑内障を早期に発見して治療を開始することが重要となります。そのためには眼科の定期健診が欠かせません。眼科検診は住民基本検診の中に含まれていますし、大抵の人間ドックの項目に入っています。以上のような理由で、40歳を過ぎたら年に一度眼科検診を受けることをおすすめします。