以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

薬の情報は大切です=青くて小さい錠剤ですけど名前は覚えていません=
2006年5月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

 以前より感じていることですが、自分ののんでいる薬についてとても敏感な患者さんがいる一方、まったく無関心な患者さんも多くて困ることもあります。例えば、もう何年も高血圧の薬を服用しているのに、医師まかせにしてその薬の名前をまったく覚えていない方がいます。
高血圧の薬をのんでもらっている患者さんで、日頃血圧が非常に安定していた方が、ある時急に高くなっておかしいなと首をかしげてしまった症例を経験しました。どうも原因がはっきりしないので、事情をよく聞いてみたところ、最近膝が痛くなって、別の病院で痛み止めの薬を処方されているというのです。
原因はこれでした。つまり、この例では前回お話しした「食い合せ」ならぬ「薬ののみ合せ」の結果だったのです。少し専門的なことをいいますと、いつも医学的に問題となる「血圧下降薬ベータ遮断薬」と「鎮痛薬NSAID」との組合せの結果でした。この組合せでは血圧を下げる作用がNSAIDの成分で効かなくなる可能性が生じます。内科医と整形外科医の間にお互いの薬の情報交換がなかったので、症状に合せてばらばらに処方してしまった結果がこうなったという訳です。
 最近は病医院でも処方の際に薬の名前や成分を書いた説明書を渡してくれるはずですし、院外処方で薬剤手帳を持っている患者さんも増えています。それで昔よりは病医院間の薬剤情報交換も容易になりました。しかし、いろいろな病医院を受診される際にこれを持参してこない方がまだまだ多いように思われます。
 前回健康食品(サプリメント)を常用している時は、このことを医師に伝えておくのがよいと書きましたが、薬の場合はもっと厳密に考えなければなりませんから、必ず医師に告げるようにして下さい。よそからもらってのんでいる薬の名前は個人情報だなどとは云わないで下さいね。損するのは自分ですから。