以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

隣の人が突然倒れた 番外編
2007年10月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 電車の中で並んで立っていたお年寄りが、突然崩れ落ちるように倒れたなどの場面に出会った方はいらっしゃいませんか。このような症状を「失神発作」といいます。このような時、救急車ですぐに病院に運ばれ、脳の病変を疑って、即脳CT,MRIなどの精密検査を受けることができるような時代になりました。しかし、それでも異常は認められず、結局原因不明という場合がしばしばみられます。

 ここで知っておいて頂きたいことは、「半身麻痺、ろれつが回らない、皮膚の感覚がおかしい」などのような神経症状を伴わない失神の場合、ほとんどが心臓系の異常か、自律神経系の異常であり、脳病変によるものはむしろ少ないということです。心臓が悪く治療中の方が突然失神したような場合は、早急に対処する必要があります。このことはすでに「AED」の使い方のところで述べました。

 最近、高齢者における自立神経失調症として、「食後起立性低血圧発作」が話題になっています。この典型的なパターンは次のようなシーンです。お年寄りが家族や友人と外出先ででんぷん質の多い和食をゆっくりと摂り、軽くビールを飲んだりした後、歩いて帰る途中に突然意識がなくなったというケースです。家族はびっくりして救急車を呼びますが、ほどなく意識は回復し、特に後遺症などは残りません。

 この例では、CTやMRIのような大袈裟な検査をすることなく「倒立試験」という簡単な検査で分かります。この様なケースもあることを知っていれば慌てなくてもよいでしょう。