以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

注目!来年から住民基本健診が廃止されます
2007年11月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 来年平成20年4月から健康に関する新しい法律が制定され、住民の健康に深く関与する制度がスタートします。新しい制度とは(1)「75才以上の後期高齢者を対象とした医療保険制度」(2)「特定健診・特定保健指導」の二つです。
 ところで、皆様は新制度制定に伴って来年4月から従来慣れ親しんできた「住民(市民)基本健診」が廃止されることをご存知でしょうか。一般の住民に話しても「高齢者保健のことは新聞・テレビなどで知っていますが、基本健診が廃止されるなんて本当ですか」と驚いている人が大部分です。あと半年というのに、私達医療機関でさえ、まだその全容を把握してはいません。
住民基本健診は見直されるのではなく、廃止されます。その代わりに「特定健診・特定保健指導」制度が始まる訳ですが、これに伴い従来の方針が大きく変わることに注目していただきたいのです。受診者に大きな影響があると思われる項目は、「胸部レントゲン、心電図、一般血液検査」などが省略されてしまうことでしょう。
 新しい制度では、従来の生活習慣病を予防する方針からいわゆるメタボリックシンドローム予防へと方針変換となり、究極的には糖尿病を減らすことを主目的としています。そのため「腹囲・血圧測定・脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪)検査」だけでもよいとなるかも知れません。したがって健診事業は、民間の健診業者が実施可能ですし、健診データが悪ければ、その改善のために保健師、管理栄養士の指導だけでも可能になります。一方、一般の市中病医院では、単独でコンピューターソフトに多額の投資が必要など難しい条件が荷せられています。
 私の心配は、これで本当に国民の健康が守られていくかどうかということです。新しい制度はいろいろ多くの問題を含み、まだまだ流動的と私はみています。何故この問題がマスコミで大きく取り上げられないのか不思議でしかたありません。市民の皆さんはこの推移をじっと注目していただきたいと思っています。決して人ごとではありませんから。