以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

寒いときでも脱水症にご注意
2010年3月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 真夏の暑い時期にひどく汗をかいた後は脱水症になり易いことは誰でも知っています。しかし、気温に関係なく水分は体から自然に失はれていくものなのです。これは呼吸の息から失われていく水分や皮膚から発散する水分のことで,「不感蒸泄」といいます。
 不感蒸泄は一日当たりどの位の量かご存じですか。
日本人の平均では、約750ml(牛乳瓶4.2本に相当)で、本人は全く意識しないうちに失われていく量なのですが、普通に水を摂っていれば特に意識しなくても自然に補われているでしょう。
 しかし、中高年齢者や十分に水分を摂れない人はそうはまいりません。加齢と共に体内の水調節は難しくなっていきます。ですから高齢になればなるほど水の管理は注意していかなければなりません。そこで、案外知られていない脱水症になり易い盲点をご紹介しましょう。
 寒くなりますと、寝室の暖房はどうされていますか。一晩中暖房機をつけっぱなしにして部屋全体を暖めている家庭は少ないのではないでしょうか。私が居宅訪問診療していた時の経験では、特にお年寄りは電気毛布か電気シートを利用している方が多かったです。しかもずいぶん熱い温度に設定して使っておりました。
 確かに電気毛布は、手軽でしかも温度も簡単に調節できるので愛用されるのでしょう。しかし、電気毛布の使用は汗をかきやすく、若い人でも容易に脱水症になり易いことにご注意ください。高齢者ともなればなおさらで、できるだけ低温にしてホンワカ程度にしておくのがよいでしょう。
 それぞれの家庭の事情があるのでしょうから強くは申しませんが、介護されているような方には電気毛布は出来るだけ止めてほしいというのが本音です。できれば部屋全体を暖房する方法を考えて頂きたいのです。
 もう一つの心に留めて頂きたいのは、入浴時の水分喪失の問題です。40度のお湯に15分浸かっていると、約300~500mlの汗が放出されるという研究報告があります。皆さんも入浴前と入浴後の体重の変化をみてみたらいかがでしょう。そこで「お湯から上がったら必ずコップ一杯の水を飲む」ことを習慣にするのをお奨めします。