以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

肺の生活習慣病 COPDとは
2010年6月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 最近街角で、鼻が細いチューブをはめ、小さな酸素ボンベを引いて歩いている人を見かけることが多くなったと思いませんか。これは、肺に慢性の病気を持っていて生活に不便をきたしている方に対して、自宅で酸素を吸入できる方法(在宅酸素療法)が普及してきているからなのです。
 昔は、慢性的にしつこく続く咳をしていたり、痰をひっきりなしに出す人は、肺気腫とか慢性気管支炎に罹っているといわれていましたが、現在はこれを一つにして「慢性閉塞性肺疾患 COPD」と呼ぶことにしています。日本でのCOPDの患者は推定で約50万人とも言われ、500万人以上の予備軍がいるといわれ増加の一途をたどっています。
 COPDの代表的な症状は、少し長い坂や階段を上がるようなちょっとした動作ですぐ「息切れ」したり、長期にわたり咳や痰が切れないような症状です。このような症状は、歳をとればだれも多かれ少なかれ出るものですが、同年齢の健康な人と比較すれば、大分差が出てきます。このような状態は「肺年齢」が上がっているといい、かつてこの欄で紹介していますので、参考にして下さい。
 原因ははっきりしていて、長期の喫煙歴が90%を占めています。そのためCOPDは「肺の生活習慣病」といってもよいでしょう。
 タバコを吸うと、有害な成分(ニコチン、タール、一酸化炭素など)が気管支や肺胞を傷付け、炎症が起こります。そのため肺胞が破壊されて酸素の取り込みが不良となり、気管支も狭くなりますので、息切れや咳、痰がひどくなるというわけです。(図参照)咳や痰程度で済めばよいのですが、放置して進行すると最終的には自宅に備え付ける酸素ボンベのお世話になるのでしょう。
 在宅酸素療法は、健康保険が効くといっても大変高額になります。COPDの大部分の原因がタバコにあるとことは分かっていますから、「長年の喫煙者がCOPDになってしまった場合、在宅酸素療法は公的健康保険から外すべきだ」という極端な意見を述べる識者もいるくらいなのです。酸素ボンベの世話になりたくなかったら是非禁煙を実行して下さい。