以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

あなたが禁煙できないわけ
2010年8月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 タバコのみのあなたへ。
 
喫煙のメリットってなんですか。いろいろありそうですね。「吸っているときが一番リラックスする」「イライラしている時の気分転換になる」「今日も元気だ、タバコがうまい」等など。しかしデメリットもご存じですよね。
 喫煙が健康に対して有害なことは、タバコ会社がどう強弁しようが、世界的に確定している事実です。その害は改めてここに書くこともないでしょう。ただ、タバコのみの方々もそんなことは百も承知で吸っているはずです。でもあなたは止めたくても止められない言い訳をいろいろ考えていますね。しかし、これは「あなたの意志が弱いから」ではないのです。 
 タバコの成分の一つであるニコチンは、脳のある部分に作用して脳内から「ドーパミン」という快感物質を放出させます。これが曲者で、一旦ニコチンによって快感物質を強制放出させられる快感を覚えてしまうと、どうしようもありません。血中のニコチン濃度が減りますと、脳はこれを補給するように体に指令を出します。これが「ニコチン依存症(俗に言うニコチン中毒)」という状態になります。ですから、タバコを吸いたくなるのは、あなたの意志が弱いせいではありません。脳が強制的にあなたにタバコを吸うよう命じているからなのです。
 さて、ここで禁煙したいと思っているあなたへ。
 最近は禁煙治療も大変進歩してきました。以前は、禁煙薬として張り薬や禁煙ガムなどで禁煙治療を受けた方の禁煙成功率は約30%くらいだったのですが、最近になり保険の効く飲み薬が発売されるようになってからは、ぐっと成功率は上がりました。
 私のやっている禁煙治療では、前は60%くらいの成功率でしたが、飲み薬とグループ治療(何人かがグループを作り、皆が同時に禁煙を始める方法)の組み合わせをやってみましたところ、今のところほぼ100%の成功率を維持しています。
 お恥ずかしいことに、私が若い時は一日30本のヘビースモーカーでした。ただ、患者さんに禁煙しなさいと言うには、説得力がないので、一念発起して禁煙を決意し、仲間を集いました。結局禁煙薬がない時代に、全員が禁煙に成功した経験をもとにグループ治療法をお勧めしているところです。