以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

ノロウィルス流行の兆しあり
2010年12月
福島県農協会館診療所
所長 伊勢 重男

福島県農協会館診療所 所長 伊勢 重男
 ノロウィルスに因る感染性胃腸炎の話は一度この欄で紹介したことがありましたが,今年はこの11月ですでにこの患者が昨年の2倍以上に上り、過去10年間で2番目に多くなっているそうで、今年も再掲します。
 主な症状としては、「下痢」「腹痛」「嘔吐」「発熱」があります。症状の始まりは突発的にくることが多く、38度くらいの発熱が先行するとインフルエンザの流行と重なる時期でもあり、インフルエンザと間違うこともあります。
 症状の強さは、何度も嘔吐が続きひどく体力が低下したりするようなものから、軽い風邪程度で終わる人など様々です。いずれにせよ症状がひどかったとしても、たいていは2,3日で治まります。
 ただし高齢者や幼児となるとそうはいきません。抵抗力(免疫力)は若い人より低下していますから、余病(併発症)を引き起こす場合も多く、時には命に係わることにもなりますので要注意です。ノロウィルス胃腸炎は嘔吐しやすいので、食べたものが肺に入って誤嚥性肺炎を起こした例も報告されています。
 感染経路は、人から人への経口感染が大分部で、主に患者の吐いた物や便を介して行われる場合がほとんどです。ウイルスを含んだ便やおう吐物が飛散し、その飛沫から感染するか、それらを触った手指を介して感染します。
 ですから、感染予防策は (1)まず手をよく洗うことに尽きます。特に外出から帰った時は必ず手を石鹸と水道水で洗いましょう。できればその後で消毒薬入りのアルコールで消毒すれば理想的ですが、私は水道水の流水で十分と考えています。(2)もし家族に感染者が出た場合、嘔吐物や便を処理する際には使い捨ての手袋を用いて一括してポリ袋に入れ、すべてを焼却します。(3)飛び散った周囲は塩素系消毒薬で消毒しましょう。
 診断と治療 インフルエンザのような簡易検査法はまだ普及していません。罹っている期間は短いので結果が出る頃は治っていることが多いです。まだまだ特効薬は開発されていません。対症療法として点滴による水分補給が大切です。
 余談ですが、ノロウィルス感染症が12月に多い原因として、生牡蠣が出回る時期と一致するからという説があります。二枚貝にはノロが繁殖しやすいからです。これが全ての原因とは考えられませんが、できるだけ牡蠣は生で食べない方が賢明のようですね。
 それではインフルエンザとノロウィルスに注意し、年末の暴飲暴食を避けてよい年をお迎え下さい。