以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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Dr.メッセージ

減塩でもおいしく食べよう(減塩調理のコツ)
2017年10月
JA福島厚生連 鹿島厚生病院栄養科 専門調理師
半杭 祐子
 血圧が高めの方も、健康な方も進んで取り組みたい減塩。「日本人の食事摂取基準」の目標量は、一日男性で8g未満、女性で7g未満になります。尚、高血圧の人は1日6g未満とすることが、日本高血圧学会により推奨されています。ただし、食は毎日のこと。美味しくなければ続かないものです。今回は、減塩調理のコツをご紹介いたします。
●出汁をしっかり効かせた「味噌汁」で満足感を。
しっかり塩分を感じるくらいで作ってしまうと、それだけで目標の塩分摂取量をオーバーしてしまいます。ちょっと薄いかな、というくらいの塩加減で調整しなければならないのですが、それだと物足りなく、美味しくなく感じます。そこで、出汁をしっかりと効かせて、野菜や旬の具材をたっぷりと入れた味噌汁で工夫していきます。
●鮮度のよい旬の素材で香り高く。
新鮮な野菜やきのこなどは、それだけで香りが高く、何もつけなくても驚くほど美味しいもの。季節に合わせて旬のものを使い、素材の良さを生かして調理するようにします。
●酸味を上手に活用する。
酢や柑橘類などは、さわやかな香味とともに、塩分控えめな料理の物足りなさをカバーしてくれます。酸味を上手に使えば、サラダなどの野菜料理はもちろんのこと、肉や魚・脂っこい料理もさっぱりと食べることができ、味わいもアップします。トマトなどの酸味がある素材を使ってメインのソースにしたり、もう一品を作ったりすると野菜摂取量もアップします。
●香味野菜や香辛料を上手に利用。
塩や醤油を控えて、ワサビや唐辛子・山椒などを効かせると、料理の味わいが増します。カレー粉も味に変化をつけるのに最適です。また、みょうがや生姜・にんにく・ねぎ・しそなど香りが強めの野菜を使うのも基本です。
●ごまやくるみなど、種実類などで香ばしく。
ごまやくるみを和え衣に使うと、塩分を控えている料理にもアクセントを効かせることができ、香ばしさや歯応えで美味しさをアップできます。
●素材の切り方、火の通し方の工夫
茹で加減の工夫や材料の切り方次第で、歯応えや食べ応えが出てよく噛むようになり薄味でも満足感を得られます。
●たれやソースは、かけるよりつけるように
たれやソースを小皿などに取り、つけて食べるようにするのも減塩につながります。
●油を上手に利用する
減塩の物足りなさを香ばしさや食べ応えでカバーするために、食材を油通ししてから使ったり、油揚げなどの製品をプラスするのも一つの方法で風味も増します。
●下味を上手につけておく
少ない調味料でも、ゆっくり時間をかけて浸透させておくと、味がしみ込み味わい深くなり、余分な味付けをしなくても美味しく仕上がります。
●野菜をたっぷりと摂る
野菜類には、カリウムを多く含むものもあってナトリウムを排出してくれる効果が期待できます。意識して摂ると、結果的に減塩につながります。