以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

転ばないために
2003年4月18日放送
本 所
業務部 中山 真一

 おはようございます。
 はるかな昔、アフリカ大陸の隠れ場のない東部サバンナで小さな類人猿が命をかけて歩きだしました。そして現在、人は直立の2足歩行を選んで地球の重力と闘い、または折り合って生きてきました。手は自由になり、大脳の発達によって文明や文化は発達しましたが、首の事故、肩こり、腰痛、膝の変形や外反母趾、痔、胃下垂、難産など直立歩行が原因と思われる苦労に悩まされていることも多くあります。直立2足歩行はまだまだ完成度が高いとは言えません、しかし私たちに進化の完成を待っている時間はありません。直立2足歩行の欠点と転びやすい人間であることを認めた上で、何らかの手を打つ必要があります。
 やじろべえは支点と腕と錘の絶妙なバランスで安定しています。人も片足で立つとたいへんな努力が必要で、立っている足ではやじろべえと同様の絶妙なバランスがおきています。まず、おしりの外側の筋肉が骨盤の下がるのを防ぎ、脊柱の立ち直りが起こり、両腕でバランスをとり、また、平衡感覚が働き、脳のやる気ですべてを統合するというたいへん複雑な事態になっています。
 次に歩行ですが、歩行の動きを分解、分析して各場面でのバランスのとり方、必要な筋力の強化、脳内の運動回路の再統合が図れればさまざまな苦労が軽減されます。人の歩行は前へ自らバランスをくずして倒れながら歩いているといえます。また、前から見ると重心が5cmの幅で左右にゆれながら歩いています。
 もっと細かく分析すると
 ・足を振り出して踵が地面につくと一瞬、膝が曲がり地面からのショックを吸収します。
 ・体重を乗せながら膝が伸びて体重をささえます。
 ・足を後ろにけりながら、足の裏では体重が踵からつま先に移動します。
 ・移動しながら軽く膝が曲がりつま先で地面をけって体を前に押し出します。
 ・足の振り出しは腰を使い膝を曲げながら行います。

 このそれぞれの磁気に様々な問題が発生し、関節の痛みがあれば体重を支えるのが苦痛になり、筋力が弱いとけりや振り出し、支持が不十分になり、バランスが悪いと重心の移動が不合理になります。対処方法はバランス、筋力の強化、運動回路の3つから考えられます。
 その効果的なトレーニングは

 ・運動前に意識的に動きを繰り返しイメージして、運動を覚えやすくします。
 ・次に連続する運動を分けて考え、分けた動作を繰り返し反復します。
 ・運動量は疲れない時間と運動負荷をみつけて繰り返し反復します。
 ・疲れが残らないよう、またはけがをしにくい体にするため、軽いストレッチを運動の前後に行います。

 この4つを考えて行うと効果的です。
 細かい運動の法則は別の機械に譲ります。
 反復運動の重要性ですが、大相撲の関取が勝利インタビューで「どのように勝ったか覚えていない」というケースがあります。これは繰り返し稽古した技がとっさに出たためです。私たちの大脳には運動の蓄積で、新しく脳内運動のシナプスの回路が作られ、同時にシナプス間の伝達物質を増やして同じ動作が起こりやすくなるという機能があります。しかし、覚えた技も稽古不足が続くとスムーズにできなくなります。歩行も同様、稽古不足が続くとスムーズにできなくなります。
 運動を繰り返し行い、歩行が安定しスムーズになると、ほのかな感動があります。そして転倒も少なくなります。誰も何も言いませんが妥協しないで何度も初めてください。3日坊主も休みの間隔を短くし、再度始めると長続きします。