以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

生活習慣改善と糖尿病
2003年7月18日放送
高田厚生病院
医師 濱田 江里子

 糖尿病といって、大体どんな病気なのか知らない人はいないほど糖尿病は身近な病気になっています。町の健診などで、糖尿病がありますよ、とか、糖尿病まではいきませんが糖尿病に近い状態にありますよと言われて近くの病院に行った方が大勢いらっしゃると思います。そこで検診の結果を持って病院に行くと、ほとんどの場合最初に生活習慣を改善するようにといわれると思います。ここでいう生活習慣を改善するとは、すなわち食事に気をつけるようにし、適度な運動をしながら規則正しい生活をすることですが、適度な運動とはどんな運動でしょうか。今回は主に適度な運動についてお話したいと思います。
 まず初めに、生活習慣を変えることがどれだけの効果があるのか、と疑問に思われる方がいらっしゃると思います。最近の調査の結果では食生活を適切にし、毎日30分以上運動した人は、そうでない人と比べると糖尿病になる確率が8分の1になると言われています。言い換えれば、同じく生活をして何もしない10 人の中では8人が糖尿病になるところが、生活習慣を変えた10人の中では1人しか糖尿病にならないということです。生活習慣を変えることは、薬をひとつ飲むことより糖尿病には効果があるのです。
 それでは効果的な運動とはどんな運動でしょうか。原則的に、運動は食後1時間頃の運動がより効果的です。これは、食事によって増えた血液中の糖を筋肉が運動することで消費し、血糖の上昇を抑えるからです。特に、糖尿病の薬を既に飲んでいる人は食事の前に運動をすることで低血糖を起こすことがあるので、食後30分以上経ってから行うようにしてください。運動は基本的にはいつやっても良いのですが、食後を勧める理由はもうひとつあります。運動をした後のご飯は美味しいと思いませんか。痩せたいと思って運動を始めたけれど、運動の後の食事が美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまった経験をお持ちの方も多いと思います。食事の前の運動は空腹感を強め、食べ過ぎを招いてしまうことがあります。運動自体で消費するエネルギーは一般に考えられるほど大きくはないので、食欲亢進による食べ過ぎから逆に食後の血糖を上げてしまう危険性が大きいのです。せっかく運動をしてもこれでは逆効果となってしまいます。運動はやはり食後がお勧めです。
 具体的な運動の方法ですが、これはどの病気でも共通です。まず適切な強度とは、科学的に言えば脈拍数で1分間につき100~120回以内です。年齢や病気などで加減は必要ですが、目安としては運動しているときに『きつい』と感じるようであればやり過ぎです。それはあなたにとってきつすぎる運動である可能性が高いので、少し強度を落としましょう。きついと感じない程度の運動が適切です。次に、運動の種類ですが、歩行、水泳、サイクリング、エアロビクス、軽いジョギング、ラジオ体操等、全身を使う有酸素運動がお勧めです。特に膝に故障がある人や肥満の強い人には、膝の負担がかからないプール内歩行や自転車こぎがいいでしょう。運動の量としては、1回に30分~60分、週に3~5日ぐらいです。運動を始めるときは急激にやらずに、まずは準備運動をするようにして下さい。徐々に身体を慣らすことが大切です。この他にも、日常生活の中でも身体を動かすように心がけることが大切です。例えば、エレベーター、エスカレーターを使わず階段を上るように心がけたり、いつも降りるバス停のひとつ前で降りて歩くようにしたりするといいでしょう。万歩計を利用して毎日1万歩を歩いている方もいるようです。
 以上、適切な運動について話してみました。自分に合った運動を見つけて続けてみてください。