以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

大腸ポリープについて
2004年06月19日放送
塙厚生病院
内科 医師 斉藤 広幸

 皆さん、おはようございます。塙厚生病院内科医の斉藤広幸と申します。今日はラジオの前の皆さんへ大腸ポリープについてお話したいと思います。ポリープは腸の壁からもりあがった、疣のようなものをさします。その形は様々で、ひらべったかったり、キノコの様な形だったり、お椀を伏せた様な形だったりします。ポリープはでき始めはすべて良性で、癌と違って発育はゆっくりです。当然育たないタイプのものもあって育つかどうかは、だいたい見た目でわかります。育ちが早いものは一ヶ月に1mm育つとも言われており、1年で1cm以上大きくなることになります。育っても良性のままなら何も気にすることは無いわけですが、1cm程度まで育ったポリープは癌化することがありますので注意が必要です。癌化といってもいきなりポリープ全体が癌になってしまうかというとそうではなく、ポリープの中の一部から癌化がおきてきます。この段階でポリープを見つけることができれば内科で大腸カメラを使って取りきることができます。つまり、早い段階で癌化しそうなポリープを発見すればお腹を開けないで治せるのです。ここで誤解を招くといけないので説明しておきますが、大腸がんはすべてポリープから始まるわけではありません。できはじめからいきなり癌で発生するものもあって、このタイプは発育が早く見た目もポリープとは異なっています。いずれにせよ病気は早くみつけるにこしたことはないわけで、自分の大腸にポリープができているかどうか症状や簡単な検査で知ることができたらいいなと考えるかと思います。まず、自覚症状ですが、進行癌では腸が狭くなって便の通りが悪くなることがありますので、便が細くなったり、急に便秘になったり、お腹が痛くなったりと症状が出ることがありますが、ポリープでは症状は出ないので、自覚症状からはポリープの存在は予想できません。では簡単な検査で分からないかと言われると、大腸がん検診で行っている便潜血検査が頭に浮かびます。便潜血検査は便に血液が混じれば陽性になる検査で、進行大腸癌では90%、早期大腸癌では40~50%が陽性になる検査です。ポリープの場合は出血していないことが多いと予想されますので、便検査で予想するのも難しいのが現状です。つまり、大腸カメラやバリウムで検査を受けないとポリープができているかどうかは分からないということになります。40歳以上の3人に1人は大きくなれば癌になりうるポリープを持っているといわれています。血のつながった人に大腸癌を患った人がいる方は一度は大腸カメラやバリウム検査を受けることをお勧めします。
 ここで、大腸カメラとバリウム検査について説明しておきたいと思います。大腸カメラでの検査は、胃カメラよりも少し太く長いカメラで大腸の一番奥まで挿入して病気がないか直接見てくる検査です。人によって腸の形や長さは様々ですので中にはカメラの挿入時に痛みがでて奥までの挿入ができない場合もあります。バリウム検査に比べ痛みが出ることが短所ではありますが、直接腸の中を見られるので細かい病気も見つけることができます。バリウム検査は肛門からバリウムと空気を大腸全体が膨らむまで注入して、腸の壁にバリウムがくっつくようにぐるぐると透視台の上で回転してもらってからレントゲン写真をとる検査です。痛みがでることはありませんがカメラほどは細かい病気は見つけられません。また、バリウム検査で病変が見つかった場合には、より詳しく見るために日を改めて大腸カメラでの追加検査になります。
 最後に、大腸癌発生に関して、食事内容で注意する点についてお話したいと思います。日本における大腸癌の増加の要因のひとつに食生活の欧米化、つまり脂肪摂取量の増加があげられています。脂肪を多く取ると消化液である胆汁の分泌が増えます。胆嚢にたまっている液体です。その中に発ガンを助ける物質が含まれているので脂肪分のとり過ぎは大腸癌の発生確率を上げることにつながります。脂肪の取りすぎにはご注意ください。また、食物繊維を多くとることは便の量の増加と便通の改善につながります。そのことにより、便中の発癌物質が薄まり、発癌物質の腸内での滞在時間が短くなりますので、大腸癌予防に食物繊維をとることが推奨されています。その他、乳酸菌製品の摂取もよいようです。
 以上、大腸ポリープを中心としたお話をしてみました。少しでも役にたったらいいなと思っております。それでは皆さん今日も一日がんばりましょう。