
| 白内障とは |
2005年6月24日放送
塙厚生病院
眼科医師 坂井栄一
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本日は皆様へ、白内障について話をさせていただきます。
パソコンやインターネットなどが発達・普及し、情報化社会という言葉が新しい響きを持たなくなって久しいですが、今後もますます眼から取り入れる情報量は大きくなっていくと思われます。
外来診療をしていると『年寄りだから、見えなくてもしょうがない』と患者さんに言われることがあります。果たしてそうでしょうか?
物が見えるようになれば、生活の幅も広がると思います。
白内障とは、目の中のレンズ(水晶体)が濁ってきた状態をいいます。
白内障で最も多いのは加齢に伴う老人性白内障です。60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上になるとほぼ100%の人に白内障による視力低下が認められます。
但しなかには怪我によって起こる外傷性白内障や、糖尿病やアトピー性皮膚炎など、他の病気になり引き起こされる併発白内障などもあります。その他にも遺伝、放射線や赤外線照射、ステロイド剤・抗精神病薬などの副作用、ブドウ膜炎などの目の病気による続発性白内障、網膜剥離や硝子体手術、緑内障手術のあとなどにも進行しやすい傾向があります。
人間ドックなどで40代後半の方に『白内障が少しありますね』などと言いますとびっくりされてしまいますが、若白髪などがあるように発症年齢や進行の早さには個人差があり、40歳くらいで手術が必要になったり、90歳になっても良好な視力を保っておられる方もいらっしゃいます。
白内障が進行すると眼鏡をかけても物が霞んで見えたり、運転をしていて対向車のヘッドライトがやけにまぶしく見えたりしてきます。
また若い時には水晶体が非常に柔らかく、伸びたり縮んだりすることによってピント合わせをすることができますが、白内障が進むと水晶体が硬くなり伸びたり縮んだりすることができなくなり、昔は指の先から遠くの方まではっきり見えたのに、今はある一点にしかピントが合わなくて、それより手前や遠くがぼやけてしまう老眼という現象も起こります。
治療に関しましては、いったん白内障が進行して水晶体が混濁すると薬などで元の透明性を回復することはできません。したがって、白内障が進行した場合は手術以外に視力を回復する手段はありません。
薬局や病院で処方している白内障の点眼腋(カタリンK、カリーユニ等)は、白内障の進行をゆっくりにするもので、一旦濁ってしまった水晶体を元の透明な状態に戻したり、進行を完全に止めるものではありません。
手術は濁った水晶体を人口の透明なレンズに取り替えるもので、目の状態にもよりますが大体30分程度です。
手術をすればほとんどの場合良好な視力を得ることができますが、以下の点については気をつけなければなりません。
まず、眼の他の部位に病気がある場合(眼底出血や緑内障など)は、視力があまりでないことがあります。それでも水晶体の濁りを取った分はよく見えるようになります。
もう1つ、白内障の手術では目の中に人口の透明なレンズを入れますが、そのレンズの度数によっては近くをよく見えるようにしたり、遠くをよく見えるようにしたりすることができます。
もちろんこの眼内レンズは伸びたり縮んだりしませんので、近くも遠くもよく見えるようにするには眼鏡が必要になります。
入院日数は、手術後の経過によりますが、4~5日の入院が必要となります。
入院・手術費用は70歳以上では4万円程度、それ以外では8万円程度です。
「いつ頃手術をしたらいいんだ」とお聞きになる患者さんも多いです。
白内障の手術手技の安全性が高まる中、なかには少しでも見えにくくなれば視力が1.0あっても手術する病院もあります。しかし一方では、初めて眼科にかかったときにはすでに失明に近い状態という方もたまにはいらっしゃいます。
物の見え方は人それぞれで、1.0の視力であっても見えにくいと思う方もいれば、0.1の視力でもあまり気にならない方もいます。人生観・価値観には個人差がありますので、基本的には患者さんご本人が見えにくいと強く感じるときが手術時期といえます。
当院では視力0.5以下を目安として、患者さんの希望を尊重して手術時期を決めています 但し糖尿病網膜症などの眼の奥の病気があり、白内障があるためこちらから眼の奥が見えにくくなってきた方には手術を強く勧めます。それは白内障のために眼底出血などが見逃されてしまう可能性があるからです。
詳しくは当病院眼科外来にいらっしゃっていただければご説明いたします。
最後に一番大切なことは、自分は白内障なのか、その他に眼の病気は全くないのかを知ることだと思います。
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