
| くすりの知識 |
2006年7月21日放送
高田厚生病院
薬剤師 小林 修一
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今、日本は世界一長生きの国になりました。その一つの要因にはアメリカについで二番目の薬の消費量も関係していると思います。薬の好きな人も嫌いな人も、私たちは普段から実に多くの薬を目にします。薬には「飲む」「注射する」「皮膚に塗る・貼る」そして「吸入する」などいろいろな使い方をするものがあり、使い方によって薬の形も変わってきます。
私たちに最も身近な薬として飲み薬があり、形としては「こな薬」「みず薬」「錠剤」「カプセル」などがあります。薬は正しい飲み方、使い方をすることによって最大の効果を私たちにもたらします。逆に、いい加減な飲み方や間違った飲み方などでは薬の効果は十分に発揮されず、かえって薬は毒になります。
そこで私は病院に勤務する薬剤師の立場から医師が処方する薬について参考になればと思う「くすりの知識」についてお話しします。
薬の袋を手にした時にまず、自分の名前を確認して下さい。次に【1日何回、どれだけ、いつ飲むのか】を理解することが大切です。町の薬局で売られている大衆薬とは違い、医師が一人一人の患者さんをしっかり診察して治療のために必要な量と期間を決めて出されるもので個人個人によってそれぞれ違います。
薬は確実に飲んでもらうためと、その薬の特性に合わせて、飲む時期を決めています。飲む時期としては、大きく分けて
(1)食前
(2)食後
(3)食間
(4)一定時間間隔
(5)寝る前
の5つのタイプがあります。
1日に決められた量の薬を規則正しく飲んでもらうために、1日の中で規則正しい生活リズムとして食事があり、食事を取る行動の中で食後が最も薬を確実に飲んでもらえる時期です。
(1)食前とは、食事をとる30分前を示します。
(2)食後とは、食事をとってから約30分前後をしめします。
食事をとったらすぐに飲んでも、また食後30分経過して飲んだ場合でもほとんど差はあり ません。かえって食事して少し時間をおくために飲み忘れることがあります。
(3)食間とは、食事をとってから約2時間を経過した時期を示します。
(4)一定時間間隔とは、6時間ごととか8時間ごとと指示される場合を示します。
(5)寝る前とは睡眠薬、精神安定剤など睡眠を補助する目的の薬に多い飲み方です。
5つのタイプについて述べましたが、絶対にしてはならない事は、薬を飲み忘れたからといって2回分まとめてのむことです。基本は飲み忘れに気づいた時に飲むことであり、次の飲む時期が2時間以内であれば、次の飲む時期を1~2時間遅らせ、それ以降はもとの飲む時期に戻すことで解決します。
薬は大変デリケートなものです。病院や町の薬局からみなさんの手に渡るまでは、厳格に管理、保管されています。有効期限はそのような条件を守ってこそ、効果が保証されます。
保管方法を温度で分けてみると次の3つがあります。
(1)冷蔵保存(4℃)、
(2)冷所保存(15℃以下)
(3)室温保存(1~30℃)
があります。
この他、光によって分解しやすい薬は、遮光といって、光の通らない真っ暗な場所や容器の中に入れて保存する必要があります。冷蔵庫はネジ蓋の付いたビンやタッパウエアなどに入れて保管すれば大変良い保管場所です。だだし、インスリンや目薬などが冷蔵庫の故障などで凍ってしまった場合は使用しないで下さい。薬の保存の条件は温度や光ばかりではありません。有効期限が過ぎているもの、病院で処方してもらい途中で飲むのをやめてしまった薬で通常1年以上たったものは、思い切って捨てることが必要です。
薬は規則正しく飲むことが必要だと述べてきましたが、このことは薬の副作用にも関係しているからです。薬は飲むと副作用がすべてに起こってくるのでは決してありません。副作用は薬自体がもつ原因に、薬を飲む患者さんの要因などが重なって発現したり、しなかったりします。
薬自体の原因として
(1)薬の本来の目的の作用が強く現われすぎて起こる場合、(例えば長い間飲むことによっ て体の中に薬がたまり、その結果、薬を多く飲んだと同じになります)
(2)薬の本来の目的の作用が目的以外の組織や器官で発現する場合、(例えば心臓へ栄 養を送っている血管を拡げる薬が頭の中の血管も拡げて起きる頭痛)
(3)薬が本来の目的以外の作用を持っている場合、(例えば様々な病気に使われるというこ とは、薬自体がたくさんの働きをもっているからです。)
(4)薬のもつ毒性が発現した場合
(5)薬に対するアレルギーの場合
などです。
薬を飲む患者さんの要因としては、年齢、性別、体重体格、体質、性格、生活習慣、食べ物飲み物など千差万別です。変だなと感じたら、すぐに飲むのを中止して主治医に相談するか薬剤師に申し出てください。
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