| ドライアイ |
| 2006年8月18日放送 双葉厚生病院 医師 寺島 寛隆 |
| ドライアイは、涙の量が減ったり、成分が変化して、その働きが不十分になり、黒目に相当する角膜や白目に相当する結膜が乾燥し傷つく状態を言います。ドライアイの症状としては、目が乾いた感じがするというのはあまり多くはありません。むしろ、目が疲れやすい、目がしょぼしょぼする、といった目の不快感が主なものになります。次の症状のうち5つ以上当てはまればドライアイの可能性があります。目が疲れやすい、目が乾いた感じがする、目がしょぼしょぼする、目がごろごろする、目が重い、目が痛い、なんとなく目に不快感がある、目ヤニが出る、目が赤い、まぶしい、目がかゆい、物が霞んで見える、涙が出るなどの症状です。 ここで涙の構造についてお話します。涙は水だけでできていると思われるかもしれませんが、実は三つの層からできています。外側から油、水、ムチンの三つの層からなっています。油の層はまぶたの分泌腺であるマイボーム腺から分泌される油性の液体の層です。その下にある水の層が蒸発したり、目からこぼれるのを防いでいます。水の層は、涙の大半を占める涙液の層で、涙液は上まぶたの裏側にある涙腺で作られています。角膜や結膜に栄養を届けたり、細菌の侵入を防いだり、粘膜にできた傷を早く治す働きをしています。角膜や結膜に一番近いムチン層は、水の層が表面張力などの影響を受けずに隙間なく広がることに役立っています。 これらの涙の層を維持するために欠かせないものが瞬きです。瞬きは角膜を刺激して涙の分泌を促します。また、10秒ほど瞬きをしないと涙の膜は所々に隙間ができて角膜や結膜に露出した部分ができますが、瞬きをすることにより角膜や結膜全体に涙を均一に広げます。 ドライアイの原因ですが、空気の乾燥、瞬きの減少、コンタクトレンズの使用などがあります。空気が乾燥する秋から冬にかけての季節の変わり目にはドライアイの症状が強くなります。本来は湿度の高い夏もクーラーの利いた部屋では目が乾きます。また、瞬きはふつう3秒に1回くらいしますが、読書では6秒に1回、パソコン操作では十数秒に1回程度になります。パソコンや携帯電話の普及によりドライアイの人が増えています。さらにコンタクトレンズでは、水をはじくため目が乾燥したり、角膜の感度が鈍くなり涙の量が減少したりします。このように環境要因の影響が強いため、ドライアイは目の生活習慣病といえます。 ドライアイの診断には、涙の量や角膜や結膜の状態を調べる検査が行われます。 ドライアイと診断された場合、治療が必要です。人工涙液を点眼して直接目の表面を潤すことが基本になります。点眼薬は通常5分ほどで吸収されますのでこまめに点眼することが必要です。防腐剤の入っていない人工涙液を使いましょう。人工涙液以外には、保水効果のあるヒアルロン酸という薬も使われます。また、朝起きたときの目の表面の状態を良好に保つために目の軟膏が処方されることもあります。 ドライアイは目の生活習慣病という側面があることから、ふだん物を見る環境を整えることも大切です。 上を見ると自然にまぶたが大きく開きそれだけ涙の蒸発が多くなります。パソコンの画面は下のほうにもっていき、テレビは床に置くのがよいでしょう。空調にも気をつけましょう。風が目に当たると目はすぐに乾燥します。エアコンの風向きには注意しましょう。また、体が心地よいと感じる湿度は意外と低くドライアイにはよくありません。できるだけ加湿に心がけましょう。タバコの煙もよくありません。 意識して瞬きの回数を増やし、しっかり瞬きをするようにしましょう。また、こまめに目を休めたり、温かいタオルで目を暖めることなどはドライアイの症状を和らげます。 物を見つめるとただでさえ瞬きが減りますが、視力が低下していたり眼鏡の度があっていないと目を凝らすためにさらに瞬きが減ってしまいます。ドライアイの治療には視力のチェックも欠かせません。 |
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