以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

健康食品と民間薬
2007年7月20日放送
高田厚生病院
薬剤師 小林 修一

 さまざまな生活習慣病につながるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の大掃討作戦が、平成20年4月からスタートします。
 これは厚生労働省が進める特定健康診断・特定健康保健指導で、40歳から74歳までの5,600万人が対象という世界でも例がない規模での実施となります。平成27年度までに生活習慣病の有病者とその予備軍を25%減すのが目標で、医療費抑制のための壮大な予防医療の試みです。

 今や、日本は男女ともに世界一長生きの人が暮らす国となりました。
 その一つの要因には医療の向上と国民みんなが病院にかかれる国民皆保険制度のおかげであることは勿論です。
 更に、以前にも増して健康への関心が高まり、普段から健康管理に気をつけている人が増えたのも一つの要因です。そして、団塊の世代がいっせいに退職期を迎え、健康で楽しい生きがいのある老後の生活を過ごそうと、それぞれが健康へのこだわりとして、食の安全にもこだわるようになったことからもわかります。
 このような、健康ブームによって注目を集めているのが健康器具や健康食品です。そこで、みなさんに知っていただければ少しは役立つ「健康食品」「民間薬」についての話しをいたします。

 テレビ番組で「健康によい」と取り上げられたとたんに需要が増加し、コンビニエンスストアやスーパーマーケットの棚から商品がなくなる、というのは近頃でもよく見られる現象です。販売時に、ガンなどに効くなどといった薬事法に抵触するようなバイブル商法が使われることもあります。
 このような販売方法によって購入した人が健康食品のみを偏食したり、医師の治療をやめたりして健康被害を起こすことがあったり、中には提唱しているような健康効果について何の根拠も無い製品もあり、効果も得られずに終わってしまう事もあります。
 また、インターネットを通して中国で製造され、中国・日本の法律において食品への使用が認められていない成分の含まれたダイエット食品を購入し、食べた人が腹痛・下痢をおこしたり、さらに死亡するなどの事件が起きたりしています。
 特に中国製品はダイエット食品に限らず安全性に問題のある事件が多発しています。アメリカにおいてスナック菓子がサルモネラ菌に汚染されていたのは、中国製の原材料が原因である可能性が高いことがわかり、中米パナマでは中国製の咳止めシロップで100人以上の人が亡くなりました。ペットフード、練り歯磨き、養殖魚、タイヤなどあらゆる分野でニュースに取り上げていられています。

【健康食品】
 健康に役立つとされ、何らかの特徴を宣伝された食品のことで、そもそも「健康食品」という名称自体には法令上の定義は存在しておらず、あくまで製造販売業者が健康食品と宣伝した食品が「健康食品」なのです。
【健康食品】には「保健機能食品」であるものと、そうでないものがあります。
「保健機能食品」は安全性や有効性が国の設定した一定の基準を満たした食品であり、健康食品の品質を見極める基準の一つとすることが出来ます。保健機能食品は健康増進法及び食品衛生法に定義され、「特定保健用食品」「栄養機能食品」の二つに分けられています。

【特定保健用食品】

 特定の保健目的により摂取した時、その効果が期待できることを表示することを国が認めた食品です。通称「トクホ」とよばれ、一商品ごとに厚生労働省による審査を受けなければなりません。
特定保健用食品のマーク  販売形態としては、薬のような錠剤や粉末ではなく、通常に飲んだり食べたりする、ヨーグルト、乳酸飲料、納豆、緑茶、やオリゴ糖などの調味料そして食用油などとして売られています。みなさんの中にも、今さかんにコマーシャルに流されている特定保健用食品のマーク(右記のマーク)の入った食用油をスーパーマーケットなどで目にしたり、実際に愛用している方も多くいらっしゃるとおもいます。
特定保健用食品のマーク
【栄養機能食品】
 食生活などの理由によって、不足しがちなビタミンやミネラルなど許可された栄養成分の補給を目的とした食品です。
 薬事法及び食品衛生法によれば、すべての口に入るものは、薬と食品に二分されています。健康ブームによりビタミンやカルシウムなどの特定の栄養素を補給する「サプリメント」や、ニンニクやスッポンなど、滋養強壮に良いとされるか、ダイエットや体調の向上に役立つことを間接的に表現する方法で、効果があるといわれている特定の動物や植物のエキスや粉末を錠剤やカプセルにして、医薬品に似た形として売られているものも多いのも事実です。

医薬品 医薬部外品 特定保健用食品 栄養機能食品 その他の健康食品
定義している法律 薬事法 健康増進法・食品衛生法
効果効能の表示 国の認可により表示可能 定められている
栄養機能表示のみ可能
できない
(違法となる)
販売の規制 薬局・薬店のみ
(例外事項あり)
一般小売店で販売可能
 病院の薬局の窓口で、「健康食品を飲んでいるが、処方された薬と一緒に飲んでもよいか」と尋ねられることがあります。わたしたちとしては、それが医薬品なのか、部外品なのか、栄養機能食品なのか、それとも単なる食品なのか、判断がつかずはっきりとお答えできません。
 それから「人に勧められて漢方薬を飲んでいるが大丈夫か」と話される人がいて、良く話しを聞いてみると「ドクダミを煎じて飲んでいる」とか「センナをのんでいる」と話す人が結構います。
 しかし、これらは日本に昔から伝えられている【民間薬】というべきもので、【漢方薬】というべきものではありません。

【漢方薬】とは中国医学の理論に基づき、決められた分量で処方されて、決められた病気のみに用いる薬を指します。
 中国医学は今から二千年以上前に興ったと言われており、現在でも脈々と続いている医学理論の体系です。例えば、みなさんが良くご存知の風邪薬として有名な葛根湯は七種類の決まった薬草を決まった分量で配合して作る薬です。
【民間薬】はドクダミやセンナなど、古くから特定の病気に効くとか体によいと伝えられてきた薬草のことを指し、通常その一種類をもちいるのが特徴です。
 最近西洋の薬草「ハーブ」が健康食品として市販されブームとなっていますが、これらも西洋の民間薬といえます。

 しかし、少し変わった見方をしますと、普通、漢方薬として使う薬草でも、漢方的基準によらず、単独で使用すれば民間薬ということになるのです。
 このように民間薬と漢方薬は随分大きな違いありますが、元を辿っていけば、現在漢方薬として使われているものも民間薬から発達したという歴史もあります。
 ドクダミ(十薬)、センナなどは現在でもよく目にする薬草ですが、それ以外にも、ヨモギ、ゲンノショウコウ、アマチャヅル、ハブ茶といったところや花粉症に良いとされて一時話題となったシジュウム茶なども南米では民間薬として使われてきたようです。
 服用方法は一般的に乾燥したものを煎じてお茶として服用する方法がとられています。他にはヨモギや高麗人参んなどはリキュールにつけて薬用酒として服用したり、秋になると真っ赤な実をつけるクコの実などは料理につかえばとても綺麗ですし、サフランをご飯と一緒に炊き込みますとサフランライスとなり黄色い色が眼にも鮮やかです。
 用法や用量は種類によって違いますので、十分調べるか、専門家に聞いてから利用してください。

 「健康食品」「民間薬」のいづれにしても、健康維持のために用いるのですから、健康被害に遭わないためにも安全性を確認して下さい。