以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

小児の発熱と痙攣について
2007年9月21日放送
白河厚生総合病院
看護師 堀越 勝子

 私は、小児科の病棟で勤務しています。今日は子供さんの発熱とひきつけについてお話します。
 小さなお子さんのいるご家族では、今まで元気に過ごしていたと思ったら急に静かになり、熱を出してしまうといった事があります。あまり突然なのでびっくりして、病院に連れていったらいいか迷うことがあると思います。一般的に生後4,5か月をすぎていれば、発熱だけでその他の症状がなければ、慌てる必要はありません。逆に生後1か月までのお子さんの発熱は、それ自体が緊急事態ですので、すぐに病院に行く必要があります。
 病院にお子さんを連れてこられる方から、高熱で頭がおかしくなるのではと時々聞かれる事があります。お子さんの発熱のほとんど多くは、高熱のために脳がやられてしまう事はありません。ごく希に脳炎を起こす病気があって、高熱が出ることはあります。脳炎となれば高い熱は出ているのに、顔色が悪く痙攣や意識障害などの症状を伴います。お子さんがお話をするようなことはできません。赤い顔をしてフーフーいいながらも、お話が出来るようであれば、その心配はほとんどないでしょう。
 発熱はそれ自体が体の中で、ウイルスなどの病原体をやっつける物質を出す指令の役割をしています。ですから、解熱剤を使って熱を下げることに執着することは、自然治癒力を低下させる事になってしまいますので、注意が必要です。
 また、お子さんの場合、熱がでて具合の悪くなる原因に、脱水があげられます。子供用のイオン水やお茶、湯冷ましなどを少しずつ与えてあげて下さい。脱水を起こしているかどうかの目安は、おしっこをしているかどうかが重要です。水分が取れずに、おしっこが出ていない時は病院を受診して下さい。
 また熱のために一晩中眠れないお子さんを見ているのは、いくらウイルスをやっつけるためとはいえ、本人と家族の方にとっては大変つらいことだと思います。そこで、38.5℃を目安として解熱剤を使ってみてはと、小児科の先生は話しています。それはあくまで目安であり、39℃だけど元気だから使わなかった。また38℃だけど機嫌が悪く眠れないので使ったというやり方でもかまわないようです。また、少しで熱が下がると気分が楽になります。それで、今まで水分をとるのを嫌がっていた子が、水分を取れるようになります。大事なことは、解熱剤は病気を治す薬ではなく、熱のためのつらい時期を少しでも楽にするための方法である事を理解してください。

 では、次にひきつけについて話します。
子どもは時々ひきつけ・痙攣を起こします。もしも自分の子どもが目の前でひきつけを起こしたら、びっくりし怖い思いをすると思います。ほんの1,2分の出来事なのに、5分、10分に感じられると思います。このまま死んでしまうかもしれないとか、頭がおかしくなってしまうかもしれないとか、見ている大人のほうが、心臓が止まりそうになってしまいますね。
 お子さんの痙攣の約90%以上が熱性痙攣と呼ばれる、乳幼児や乳児が熱を出す時に起こる痙攣です。この熱性痙攣は、生後半年ぐらいから起こりやすく、5、6歳ぐらいまで続きます。生まれてすぐは起きませんし、小学生になってもまだ熱性痙攣を起こしている子は大変まれです。しかも3歳前後が一番風邪をひいたり、熱を出しやすいので、熱性痙攣を起こしやすいのは、ちょうど幼稚園や保育園にあがる前後に集中しています。
 熱性痙攣は、なにも特別な事をしたり、薬を使ったりしないでも、数分以内で自然に止まります。脳に障害を起こす事もありません。まして命に関わる事はありません。一時的に呼吸は止まりますが、痙攣がとまれば息を吹き返し、意識も戻ります。もし余裕があれば、時計の秒針を見ながら何秒ぐらいか、どんな痙攣か見てあげてください。目の様子、手足がどうなっているか、左右とも同じような動きをしているかなどです。普通、熱性痙攣は左右対称で全身性です。
 痙攣を起こしている子を楽な姿勢にして下さい。無理に大きな声で名前を呼んだりしないで、そっと寝かせてあげてください。吐いてしまうこともあるので吐いたもので、喉を詰まらせないように、顔を横に向けてあげてください。
 心配なのは、数分以内に止まってくれない時だけです。特に30分以上も痙攣が続いていると、脳にいく酸素が不足して、後で脳の障害が起こる可能性があります。また痙攣が片手だけとか、半身だけの時は普通の熱性痙攣でないかもしれないので注意してください。場合によっては救急車で病院に来たほうが良いと思います。
 お子さんは急に様子が変わりやすいので、いつも見ている方の判断が大切です。今日の話が少しでもお役に立てれば幸いです。