以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

身近に潜む、真の健康
2007年12月21日放送
塙厚生病院 リハビリテーション
理学療法士 円谷公洋・今井優美

 ラジオをお聞きの皆様、おはようございます。次第に年の瀬も迫り、大掃除やお正月の準備に、お忙しい日々を送っているでしょうが、少しだけ、ラジオに耳を傾けて頂きたいと思います。今年は、インフルエンザが例年より早く流行していると、新聞やテレビ等で報道されていますが、皆様は如何お過ごしでしょうか。12月に入ってから、日に日に寒さが厳しくなってきており、コタツに入ったまま動かなかったり、天候の悪化により外出機会が減ったりして、どうしても、運動不足になりやすい季節でもあります。

 そこで、今日は、健康という事について、少し考えてみたいと思います。さて、皆様は、本当に健康ですか?恐らく、健康な方が多いと思いますが、では、健康とはどういう事でしょうか。
 世界保健機構のWHOでは、定義として「何事に対しても前向きの姿勢で取り組めるような、精神、および肉体、さらに社会的にも適応している状態」としていますが、このような完璧な人間は存在しないと思います。恐らく、定義の中に、“精神的”という言葉が入っている事に対して、意外であると感じた方も多い事でしょう。
 よく日本では「心・技・体」という言葉を使いますよね。元々は、今、マスコミを騒がしている相撲界から出たようですが、イメージとして、体・技・心の方が強いと思うのは、私だけでしょうか。当然、相撲以外のスポーツでも同じですが、やはり、心という事が重要であり、また、我々の医療界にも共通な事がいえると感じております。
 我々のように、何らかの原因で障害を患った方に、生きがいを持って、少しでも以前の様な生活を送ってもらうためには、まず、本人がやる気を持って前向きになるという事が必要だからです。一概には言えませんが、“病は気から”という言葉もうなずける気がします。
 例えば、最近、メタボリック症候群という少し難しい言葉を、一度ぐらいは聞いた事があるでしょう。これは、簡単に言えば、生活習慣病という事でしょうが、よく、“年だから、体質だから、皆そんなもんだから等”と、諦めてはいませんか。
 人間の健康は、薬や病院が維持するのではなく、充分に栄養の整った食事を摂るという事が重要なのです。また、同様に睡眠、そして適度な運動という事が挙げられると思います。
 適度な運動と言っても、実際に毎日継続して行う事は、中々難しいものです。しかし、よく考えてみると、普段の生活で洗濯物を干したり、服を着脱したり、洗顔や洗髪など数え切れないぐらい、両手というのは無意識に動かしています。また、足においては、転倒ということが最も心配な事でしょう。両手と同様に、椅子に座って食事をする方は最低3回、当然トイレも数回、お風呂も毎日入るなど、嫌とも思わず何気なく行っている事でしょう。これらの事が重要であり、基本的な生活をしっかり行うという事が、健康を保つといっても過言ではありません。
 当病院でも、不幸にも病気や怪我をされた方に対して、スタッフ一同、日々努力しながらリハビリテーションを提供しております。しかし、我々がいくら努力しても、患者さん本人が努力しなければ、良くなるものも良くなりません。よく、病院だと運動など言われた事を行いますが、自宅に帰ってしまうと行わない方が多いようです。私自身もそうであると実感しています。その理由は簡単です。辛くて、つまらなくて、明確な目的が分からないからです。逆に言えば、好きな事で、皆と明るく、楽しい事は時間を忘れて行えるという事です。農家の皆様がそれを実証しているではありませんか。今の季節、少しは、体を休める事が出来るでしょうから、そのような時に、自分の生活を見つめては如何でしょうか。
 少しでも、そんな手助けが出来るように、当病院でも、今年の8月から、訪問リハビリテーションという事を開始致しました。簡単に言えば、我々が、その方の自宅に伺って、リハビリテーションを行うという事です。内容は様々でありますが、例えば寝たきりになってしまったため、手・足が固くならない様に運動したり、椅子や畳からの立ち上がりを行ったり、また、使っている物の確認や体全体の状態を確認したりします。もちろん、週一回水曜日の訪問ですので、患者さん本人だけでなく、家族の話し相手になるという事も重要な事と考えながら対応しています。開始してから、約5ヶ月が経過しますが、“人との出会いの大切さ”という事を再認識しています。
 病気や怪我をしてしまって、不幸と思う事ばかりですが、たった一つだけ幸せな事は、我々と出会えたという事ではないでしょうか。これは、リハビリテーションだけでなく、医療人一人ひとりに言えますが、その瞬間、一つ一つを大切にしながら、今後も個々の患者さんや利用者さん、そして、ご家族に全力で接していきたいと思います。
 それでは、農家の皆様、今日も一日、明るい元気な笑顔で、大好きな事に取り組みましょう。

JA福島厚生連 塙厚生病院 
リハビリテーション科 理学療法士
訪問リハビリテーション 毎週水曜日
(左:今井 優美  右:円谷 公洋)