
| 血液製剤によるC型肝炎について |
2008年4月25日放送
農協会館診療所
所長 伊勢重男
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最近、薬によって引き起こされた肝臓の病気、すなわち薬害C型肝炎の訴訟が、新聞・テレビで大きく報道されたのをご記憶の方も大勢いらっしゃることと思います。
実はC型肝炎の問題が話題になり始めた5、6年前、私はこのことについて福島県厚生連のホームページに分かり易く解説しておりました。詳しいことは平成15年の8月と9月の福島県ホームページを読んでいただくことにして、今回あらためて注意していただきたいことについてお話ししたいと思います。
ウイルスによる肝炎のうち、B型肝炎の原因となるB型肝炎ウイルスは、1963年(昭和38年)ころ発見され、早めにその対策がとられてきました。B型肝炎ウイルスの感染は、大部分が輸血から起ることが分っていましたから、B型肝炎ウイルスを含む血液は使用しなければよい訳です。以後B型肝炎ウイルス感染者はぐっと少なくなりました。
しかし、それでも輸血の後に肝炎が発生することがありました。そのためどうやら別種の肝炎ウイルスが存在するらしいと推測されていました。ですが、何しろ原因となるウイルスが見付けられていなかったので、手の打ちようがなかったのです。1988年(昭和63年今から20年前)になり、米国でやっとそのウイルスが発見されました。これはC型肝炎ウイルスと命名され、直ちにその対策がとられるようになりました。
その頃は、血液の成分から作られた「出血を止める薬」や「血友病の治療薬」が盛んに使われた時代でもありました。具体的に言いますと。血液の成分から作られた「フィブリノーゲン製剤」と「血液凝固第9因子製剤」といい、当時としては画期的な薬としてもてはやされたものでした。大出血の際にこれを使わなかった医師が、何故使わなかったと後で非難される事態さえ生じたほどでした。
米国ではすでに1974年(昭和49年)頃から、未知のウイルスが存在するであろうことが問題になっておりました。この場合どのようなウイルスかは分らないにせよ、加熱したり科学処理を施したりしてウイルスを殺す方法を採用し、早くから予防策をとっていたのです。
一方、日本では、そのような情報が得られていたにもかかわらず、加熱や化学処理をしていない血液製剤が1994年(平成6年)頃まで使用されていたことが問題でした。ですから、1992年(平成4年)以前に輸血を受けたことがある方や、1994年(平成6年)以前にフィブリノーゲン製剤の投与を受けたことのあるような人はC型肝炎ウイルスに感染している恐れがあります。
この時期までこれから述べることに思い当たる方はC型肝炎ウイルスを含んだ輸血やフィブリノーゲン製剤あるいは血液凝固第9因子製剤を受けた可能性が高いと思われます。
それではどのようなケースがあるか申し上げます。
| 1) |
妊婦または出産時に大量な出血があった。 |
| 2) |
大量に出血するような手術を受けたことがある。 |
| 3) |
胃や腸から大量な吐血や下血をみた。あるいは大怪我で大出血したことがある。 |
| 4) |
がん、血液、肝臓などの病気で「血が止まりにくい状態にある」と言われ、その治療を受けたことがある。 |
| 5) |
肺に孔があき気胸を起こし、その治療法の一つとして胸膜接着療法を受けた。骨折などの際、接着療法が行われた。あるいは肝臓、脾臓、腎臓などの手術で接着剤を使用したと言われたことがある。 |
以上のようなことに思い当たる方は、必ずC型肝炎になるとは限りませんが、知らないうちにC型肝炎ウイルスに感染している可能性がありますから近くの保健所または病医院で検査を受けるよう強くお勧めします。
万一、フィブリン製剤か血液凝固因子製剤によって感染したことが判明すれば、本年1月に成立した「薬害肝炎救済法」によって補償される道が開かれましたので、是非検査をうけて下さい。
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福島県厚生農業協同組合連合会 福島県福島市飯坂町平野字三枚長1−1 TEL(024)554−3450 FAX(024)554−3483