以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

前立腺肥大と前立腺癌について
2008年9月19日放送
白河厚生総合病院 看護師
村田 真起子

 前立腺は、男性の膀胱の出口、尿道の始まりの部分を取り囲んでいるクルミ大の臓器です。前立腺は、精液の一部を作っており、構造はちょうどみかんに似ていて、皮の部分を外腺、実の部分を内腺と言います。前立腺肥大症は、前立腺の内腺の部分が肥大して大きくなり、その結果、膀胱の出口が圧迫されるために、尿の出や勢いが悪くなる病気です。前立腺は加齢によって大きくなると言われ、前立腺肥大症の患者さんは、50歳代では2%、60歳代では9%、70歳代では12%程度いるとされています。高齢男性には、一般的な病気といえます。
 前立腺肥大症と診断する検査の主なものは、直腸診・超音波断層法・尿流量測定・などがあります。直腸診は肛門から直腸に指を入れ、直腸壁を隔てて前立腺の腫れ具合を調べます。超音波断層法は、超音波発信器を下腹部に当て、または肛門から入れ、前立腺の様子を画像で診断します。尿流量測定は、患者さんが実際に排尿して、尿の勢いを調べる検査です。
 次に治療についてお話します。 前立腺肥大症は悪性疾患ではないので、治療をするかどうかと治療方法は、前立腺の大きさではなく、排尿障害の程度と本人の自覚症状の程度によります。治療方法には大きく分けて、薬物治療と手術療法があります。薬物治療は、症状が軽症から中等度の人、または手術ができない患者さんが対象になります。薬剤により男性ホルモンの働きを抑えて前立腺を小さくしたり、前立腺や膀胱の筋肉をゆるめて尿を出やすくするものです。手術療法は、薬物療法では症状の改善が図れず、日常生活に支障をきたす場合や、残尿量の増加などの合併症がある場合、適応になります。手術は、経尿道的前立腺切除術といって、尿道に内視鏡を挿入し、内視鏡の先についている電気メスで肥大した部分を取り除くものが一般的です。
 次に、前立腺癌についてお話しします。前立腺癌は、主に前立腺の外腺に発生し、50歳代から急速に増え始める高齢者の癌です。前立腺癌は、加齢に伴う微妙なホルモンのアンバランスで発生するとされています。食生活なども密接に関係しています。症状は、前立腺肥大症症の症状である排尿困難、頻尿、残尿感などとよく似ていますが、初期はほとんど自覚症状がないので、注意が必要です。50歳を過ぎて排尿に異常を感じたら、すぐに医師の診察と検査を受けることが大切です。前立腺癌は、比較的簡単な検査で発見できます。問診の後に行われる主な検査は、直腸診や、がんになると血液中に増加する前立腺特有の物質・PSAの測定などがあります。それで疑わしい場合には、直接、前立腺を針で穿刺して組織を採取し、調べます。その結果、がんと診断されれば、病気の進行具合を調べるために、MRI、骨シンチグラフィーなどを行います。前立腺癌は進行程度によりA・B・C・Dの4つの病期(ステージ)に分類されます。また、ステージの他にも、悪性度によって3段階に分類されています。これらのステージや悪性度によって治療の進め方が違ってきます。治療法としては、内分泌療法、手術、放射線療法、化学療法などがあります。治療方法は悪性度、年齢、今までの病気や一般状態に基づいて検討をするので、よく説明を聞き、納得して適切な治療をうけましょう。前立腺癌はこれといった予防法がありません。なによりも大切なのは、早期発見、早期治療です。また、前立腺癌と診断されても、比較的進行の遅い癌ですし、治療方法も進んでいるので、落ち込まず、医師とよく話し合い、前向きに対応しましょう。早期発見のために50歳代になったら、年1回ぐらい泌尿器科でPSAのチェックをすることをお勧めします。

以上、前立腺肥大症と前立腺癌について、お話しいたしました。