以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
JA福島厚生連からの最新の情報は、TOPページからご覧ください。



農家の皆さんへ

シックデイ(sickDay)について
2009年7月24日放送
高田厚生病院

看護師 若林美千子

 おはようございます。毎日早朝からのお仕事お疲れ様です。今日は「糖尿病と高血圧」について高田厚生病院内科医谷田部淳一先生のご指導の元、お話させていただきます。現在特に健康に問題のない方にも、これから先ずっと元気で働いていくために、お役に立てる内容かと思いますので、お付き合いください。
 さて厚生労働省の患者調査によりますと、診察を受けた患者さんの第1位が「高血圧」第2位が「糖尿病」との統計が出ています。糖尿病と高血圧は関連が深く、高血圧の人は糖尿病になり易いし、糖尿病の方は殆んど高血圧を合併しています。高血圧とは上の血圧で140以上、下の血圧で90以上のことを言います。日本人の20歳台以上の40%が高血圧であり、50歳台になると2人に1人が薬の治療が必要であるといわれています。
 糖尿病はその患者数と予備軍を含めると、国民の5人に1人がかかっていることになります。昔は糖尿病というと「贅沢病」のイメージで周囲の人に教えるなんてとんでもない!という方が多かったのですが、近頃は糖尿病にかかっている人が増えたので、肩身の狭い思いをしなくていい・・という話を良く聞くようになりました。
 糖尿病も高血圧も生活習慣病です。自覚症状の少ない病気なので、検査結果が悪いといわれても、数字上のことなので放置したり、長年の生活習慣が病気を招くといっても、正直どうしたらよいのか分からないというのが本音だと思います。しかし病気に向き合わず、放置しておくと近い将来「脳卒中・認知症・心臓病」など血管の病気にかかり易くなります。
 「予防に勝る治療法なし」といわれ、診断がつく前に予防することが大切です。その為に知っておいて頂きたいことをお話します。まず1番目のポイントは、今の自分自身の状態をきちんと把握することです。病院受診や市町村の検診を利用して年に1~2回は検査を受けることをお勧めいたします。血圧は緊張や運動などで、1日に何回も変わります。自分の血圧の値を知るには、朝起きて1度おトイレを済ましてから椅子にかけて測ります。1日1回でよろしいですから、測定した値は記録して病院受診時お持ちいただくと、適切な診断に役立ちます。糖尿病をお持ちの方は、合併症予防のために上の血圧は130以下、下の血圧は80以下に保つのが望ましいとされています。2番目のポイントは、食事で摂りすぎると病気に繋がるものを正しく知ることです。それは、カロリーの高いもの、油、糖分、塩分の多いものです。現代は、食の欧米化が進み、若い人や子供たちにも生活習慣病が増えてきています。採りたての野菜を中心に食べ、汗を流して働いているから大丈夫という方でも、味噌汁は1日3回必ず飲むなんて方いらっしゃるのではないでしょうか?味噌汁は塩分が多いので回数は減らしましょう。ラーメン等の汁もなるべく残すようにしましょう。年を重ねると必要なカロリーは減るので、若い人向けの食事は控えましょう。醤油は直接おかずにかけず、皿にとり、少しずつつけながら食べると減塩できます。夏場水分を多く摂るのは良いことですが、栄養ドリンク、乳酸菌飲料、スポーツドリンクはカロリーが高いので控えましょう。
 野菜料理でも、けんちんや天ぷらなど、油を多く使用するとカロリーと油のとりすぎになります。油とマヨネーズは大匙1杯でご飯半分に相当するカロリーがあります。習慣になっていることを変えるのはなかなか難しいと思いますが「知っている」のと「知らない」のとでは、将来に大きな差が生じます。第3番目のポイントは運動です。習慣としてぜひ取り入れてほしいのがウォーキングや自転車など心臓に負担のかからない有酸素運動です。1日30分行うのが理想ですが、10分ずつのこま切れでも構いません。血圧や血糖を下げるのに非常に効果があります。特に高血圧では、運動や減塩などの効果が表れ易く、健康寿命が延びるというデータがあります。生活習慣病の主治医はドクターではなく自分自身であると言えるでしょう。自己管理することにより健康でイキイキとした生活を送ることが出来ます。
 最後に糖尿病の患者さんに大切な注意があります。皆さんは「シックディ」という言葉を聴いたことがありますか?糖尿病の患者さんが熱を出したり、下痢をしたり、吐き気、食欲不振、など他の病気になった状態の事を言います。食べられないから、血糖が下がりそうなイメージがありますが、インスリンの働きが悪くなるので食事がとれなくても血糖値が高くなることが多いので注意が必要です。当院でも昨年の夏は、暑さで体調を崩して、食欲が落ち、口当たりの良い果物や、アイス、スポーツドリンクなどを多く摂り続け受診せずにいた結果、急激な血糖上昇により症状が悪化し、救急車で入院した方がいました。糖尿病の方が、体調不良のときは、消化の良いお粥やうどん、水分補給として水かお茶を少しずつ取りましょう。また、まったく食事が取れない、下痢・吐き気が止まらない、高い熱が続くときは糖尿病が重症化しやすいためにすぐ受診が必要となります。
 当高田厚生病院には、「高血圧・糖尿病」専門の医師がおります。県立医科大学と協力して動脈硬化を進展させ得る血圧、血糖、コレステロール等の精密検査を毎週火曜日の午後に予約制で実施しています。検診等で高血圧・糖尿病等を指摘されましたら、検診結果表をご持参の上外来受診をお勧め致します。