| 「乳がんについて」 |
| 2009年8月21日放送 双葉厚生病院 外科医長 菅野英和 |
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双葉厚生病院 外科の菅野英和です。本日は乳がんについてお話させていただきます。 【はじめに、疫学について】 乳がんは、乳腺、すなわち、おっぱいに発生する悪性腫瘍です。 日本では乳がんになる人はこの30年あまりで3.4倍に急増しており、約20人に1人が乳がんにかかり、1年間の死者も1万人を超えています。 また、女性における部位別がん死因の第1位でもあります。 これには、食生活やライフスタイルの変化が、影響しているとみられています。 乳がんにかかる人は20代から増えはじめ、特に40代から50代にピークをむかえ、高齢になるほど減少していきます。 【乳がんの原因、危険因子について】 乳がんの原因ははっきりとはわかっておりません。 しかしながら、乳がんの危険因子はわかっています。 まず、初潮年齢が早い、あるいは閉経年齢が遅い方。 次に初産年齢が遅いあるいは出産経験が少ない方、または授乳歴がない方。 閉経後のホルモン補充療法などを行っている方などが、乳がんの発生を増加させるといわれております。 家族、特に母親、姉妹、娘などに乳がんの方がいる場合には乳がんになりやすいことがしられています。 【症状について】 症状には、しこりが最も多く、その他、血液性の乳頭分泌液や、乳頭部のただれ、乳房の違和感や痛みなどを自覚することもあります。 こうした症状がある場合には必ず専門の医療機関を受診してください。 【検査、治療法について】 一般には、問診、視触診、マンモグラフィー、超音波検査を行います。これらの検査で乳がんが疑われる場合には、腫瘍の一部の細胞や組織を調べる細胞診や生検を行い、顕微鏡的にがんであるかどうかを調べます。 そこで、乳がんと診断された場合、全身への転移、がんの広がりを調べる目的で、CT、骨シンチグラフィーなどが行われます。 【治療について】 現在とのころ、原則的には外科手術が根治する唯一の方法と考えられております。乳房温存手術、乳房全切除術などがあります。 状況に応じて手術に加えて、抗がん剤治療、ホルモン療法や放射線療法が併用されます。 【乳がん検診ついて】 乳がんの発生を防ぐ方法は、現在のところありません。しかし、早期発見をすることで、約90%の人が治癒します。早期発見のためには乳がん検診、自己検診が重要です。 乳がん検診には、市区町村の検診、職場の健康診断やドック検診、医療機関での自主検診などがあります。乳がんの発生は40代から増加するため、一般には検診開始年齢は40歳をすぎたらといわれています。しかし、危険因子をもつ人は早めに開始することをおすすめします。 できるだけ、1年に1回、乳がん検診を受けるようにしてください。 いまだに乳がん検診の受診率は全国平均でも17.6%と低く、これを増加させることが乳がんによる死亡率を低下させるために重要であると考えられています。 【自己検診について】 自己検診の時期は生理が始まって1週間後、乳房の張りがなくなり、柔らかい状態のときに行いましょう。閉経後の人は毎月 1回、日を決めて行いましょう。 自己検診のやり方ですが、まず、鏡の前に立ち、両腕をあげて乳房の左右差や、へこみ、ひきつれなどがないかをみます。次に、仰向けになり、肩の下にタオルを入れます。反対側の手の指を使い、乳房が少しへこむくらいの強さで、くまなく全体を触れます。最後に、わきの下も、しこりがないかチェックします。 自己検診をしていますと、小さなしこりでも自分で見つけている人が多くなります。 普段の自分の乳房の状態を知っておくことで、小さな変化や異常に気がつくことができるのです。 【最後に】 何か異常があった場合にそのまま放置しないでください。 実際にはしこりや異常があっても多くは乳腺症などの良性疾患であり、乳がんであることは少ないです。 |
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