
| 認知症について |
2010年2月19日放送
双葉厚生病院
精神科医師 藤井英介
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本日は認知症についてお話させていただきます。
【原因について】
認知症の原因となる病気にはさまざまなものがありますが、特に多いのはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症と呼ばれるものです。
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(1)
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アルツハイマー型認知症 |
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脳の細胞が変性(性質などが変わる)したり消失したり結果、脳が縮んで認知症になるもの |
| (2) |
脳血管性認知症 |
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脳梗塞や脳出血などのように、脳の血管に異常が起きた結果、認知症になるもの |
この二つとその混合型(二つを合併している型)を合わせると、認知症全体の8割から9割を占めると考えられています。
【正常の物忘れと認知症の物忘れ】
さて、認知症といえば単純に「物忘れをする」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、健康な方でも物忘れをすることはあります。
健康な方の正常の物忘れと認知症の物忘れにはどのような違いがあるのでしょうか?
正常な物忘れの場合、
自覚している
症状はほとんど進行しない
物忘れに自分で対処できる
日常生活に支障がない
といった認知症との違いがあります。
【症状について】
それでは、物忘れを含めた、認知症の症状についてはどのようなものがあるか、
気付かれることが多いものについて挙げてみることにします。
まずは物忘れについて:
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(1)
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物忘れをするようになった |
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置き忘れやしまい忘れ、大切な約束事を忘れる、などが多くなった |
| (2) |
日にちや時間が混乱するようなった |
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日にちや時間を何度も確認する、いつものお稽古の曜日を確認する、など |
その他には:
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(3)
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怒りっぽくなった |
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以前はおとなしい人だったのに、この頃はちょっとしたことでもすごい剣幕で怒る、といった具合 |
| (4) |
元気がなくなってきた |
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外出や友達付き合いをしなくなった
家でウトウトしたり、テレビをぼんやり眺めていたりすることが多くなった |
などの症状もあります。
このような、今までとは違った、何か変だなと思われるような様子に気付かれたときには、気軽に医療機関にご相談下さい。
【治療について】
つぎに治療についてお話します。
物忘れなどの中心となる症状に対しては、ある程度は飲み薬で進行を遅らせることができるといわれています。しかし、根本的な治療、あるいは確実な治療はいまのところ難しい状況です。
怒りっぽい、元気がないなどといった周辺症状といわれる症状に対しては、ある程度お薬での治療効果が期待できます。また、介護の仕方によって症状が改善する可能性があります。
いずれにしても、認知症そのものを治すというよりは、ご本人の不安や混乱を和らげることに重点を置いて考えていく必要があります。
【介護について】
ここで介護の話について少し触れてみますと、
たとえばよくある話として、食事のすぐ後でも「ご飯はまだか」というような催促をくり返す、というものがあります。
この場合、単に「食べていない」と言うだけでなく、「自分だけ食べさせてもらえない」などと被害的に、感情的に訴えられることが多く、周りの方にとってはそれが毎日のように続くと、さすがに不快な気分になってしまうものと思います。
つい「さっき食べたでしょ」というようにきつく当たってしまいがちですが、それを「もうすぐだから待っててね」というように受け流すような対応はひとつの方法です。
意外に待っている間に忘れてしまうことも多くあります。
ご本人が忘れてしまっていることを正しく教える、あるいは注意するというだけでは、かえって逆効果になることもあります。
【おわりに】
最後になりますが、
認知症も原因や状態によっては、正しい診断と治療によって、症状が改善するものもあります。
最初の時期には症状が目立たないこともありますが、先ほどお話したような、これまでとの違ってきている点に注意していただいて、できるだけ早期に発見、そして適切な対応をとることが、ご本人の状態の安定と、ご家族の負担を軽減することにつながります。
認知症については「年だから仕方がない」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、お一人で抱え込まず、早めに精神科等の医療機関でご相談されることをお勧めします。
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