
| 高齢者に多い肺炎について |
2010年9月17日放送
白河厚生総合病院
十文字 泰子
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肺炎は細菌などに感染しておこります。
主なものには、誤嚥性肺炎、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎(マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎)、等があります。
誤嚥性肺炎
高齢者は肺炎に罹りやすく、特に誤嚥性肺炎になりやすくなっています。それは、高齢のために誤嚥して食べ物が喉に入り、肺に流れ込むからです。正常であれば喉に異物が入ってきたら、咳などの反射でその異物を吐きだしますが、その咳の反射が加齢により消失すると誤嚥してもむせないため肺に異物・唾液が入り込み肺炎を引き起こします。
高齢者の肺炎の6割以上が誤嚥性肺炎です。高齢のため飲み込む能力が衰えたところに(嚥下障害)口の中の汚れ、虫歯による繁殖した細菌が肺や気管支に入って発症するものです。
症状は38.0℃以上の高熱、寒気、痰を伴う頑固な咳が初期より現れることが多いです。
誤嚥を起こしやすい身体の改善がないかぎり、誤嚥は繰り返され、予後は厳しいものとなります。
誤嚥性肺炎を予防するには、まず、口の中を清潔にすることです。病は「口」から、「口は幸せが見える窓」と言われるので、口をきれいにすることは、最も身近で効果的な予防方法です。定期的に口の中を清潔にすることにより肺炎の発症率を40%抑制することが証明されています。
次に、安全な食事を取ることが大切です。そのためには、次のような点に注意しましょう。
1.食前にうがい、食後に歯磨きをして口の中を清潔に保つ
2.安定した座位姿勢を確保する
3. しっかりと目を覚ましてから食べる
4.食べ物が口の中に入っている時は声をかけないで、食べることに集中できる環境をつくる
5. 焦らず、ゆっくりとゆとりをもって食べる
6. 必要に応じてむせらないように増粘剤(とろみ)を使用する
7. 充分に飲み込んでから、次の食事を口にする
8. 食後30分は起きている
誤嚥した時の対処法
基本的には喉にあった残留物を取り除くために、強い咳をさせ、つばを飲みこませます。
それでも誤嚥が疑われるときは、上半身を横にして背中を下から上にたたいたり、異物を手で取り出します。水で流すのは、むせりの積み重ねになるので水分は与えないで下さい。その時の状況で大切なことは何を食べてむせたのか、予兆はみられたか、食事開始何分くらいかを知っておくことです。
細菌性肺炎
細菌が肺内に侵入することにより肺に細菌が増えることにより起こります。
症状は寒気、発熱、咳などが主症状で、時に胸の痛み、血液が混じった痰(さび色)、呼吸困難等です。高齢者は、頭痛、食欲不振だけが強く、発熱しないことがあるので注意しなければなりません。
予後は原因となる菌に見合った抗生物質の使用で次第に軽快し2〜3週間で治ります。しかし、肺および心臓などに基礎疾患を持っている患者や高齢者では命にかかわることがあります。
その他
最近高齢者に多い結核についてお話します。
結核は結核菌を吸い込むことで起こる感染症です。結核は「セキ、タン、だるさ、微熱」などの風邪に似た症状で始まります。症状が進んでくると、タンの中に結核菌が出てきます。結核菌はそのような患者の、セキやくしゃみのしぶきの中に入っています。このしぶきは、目に見えないとても小さなもので、セキの場合は1.5m、くしゃみで3.5mほど飛び散ると言われています。このようにして、結核は人から人へうつっていきます。
結核は空気感染です。免疫が弱ったとき発病しやすいです。過労が重なったり不規則な生活が続いて免疫力が低下したとき、結核菌を吸うと発病しやすくなります。感染しても発病するとは限りません。吸い込まれた結核菌が肺の中で増殖を始めても、それが発病につながるとは言えません。やがて結核菌は体の中で押さえつけられてしまいます。菌を吸い込んでも発病するのは10人に2人位です。
発病には、感染してから早い時期に病気が進む初感染発病と、感染してから長期間たって発病する既感染発病があります。初感染発病は大量の菌を吸い込んだときや感染した人の抵抗力が弱いときにみられ、子どもや若い人に起こります。既感染発病は昔感染した(その時は発病しなかった)結核菌が肺のどこかでじっと眠っていて、何十年もして何らかの理由で目を覚まし再び活動を始めるもので、高齢者に多くみられます。
結核を予防するためには、検診を定期的に受けることです。また、セキや痰が2週間以上続く場合は専門医を受診することです。
高齢化の進む現在、問題になるのは、高齢者がいかに自分らしく生きていくことができるかだと思います。そのためには、規則正しい生活をして、栄養管理をきちんとする等周りの人々が目配り、気配りをすることが大切です。
最後に、高齢者は感染に弱いので風邪等をひかないように予防することが大切です。
その為には、うがい・手洗いが基本となります。特に外出時などはマスクを着用することも必要になります。咳やくしゃみが出た時・出そうになった時はまず、ティッシュで口と鼻を覆い、使用したティッシュはゴミ箱に捨て、その後、よく手を洗うなど、咳エチケットを守りましょう。
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