以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

白河厚生総合病院付属高等学院紹介
2014年9月12日放送
教務主任 若林 澄子

 みなさんおはようございます。
 私は白河厚生総合病院付属高等看護学院、教務主任の若林澄子です。これから当看護学院の学校紹介をさせて頂きます。
 JA福島厚生連は「保健・医療・福祉事業を通して、農家組合員・地域住民の健康を守り、豊かな地域づくりに貢献する」ことを理念としています。本学院はこの理念に基づき、生命の尊厳を基盤に、豊かな人間性と倫理観を培い、看護に関する専門的知識及び技術を身につけ、地域、社会に貢献できる看護師を育成することを目指し教育しています。
 本学院は、昭和26年に開設され平成21年に新築移転し5年目を迎えます。
 学院は緑に囲まれ、周りには四季折々に、様々な野の花が咲き、四季の移り変わりを感じることができる、静かな環境です。また、病院と隣接しており、実習でも恵まれています。
 当学院は3年課程の専門学校です。教育体制は、教職員11名、院内外講師約63名、その他実習指導者で、教育にあたっています。学生数は1学年定員30名で、現在88名が勉学に励んでいます。一度就職してから「人の役に立ちたい」と考え入学してくる社会人や男生学生も多くなりました。入学してくる学生は「地域医療に貢献したい」という希望をもち、殆どが県内の学生です。卒業生は1000人を超えそれぞれの地域で活躍しています。
 次に本校の特徴についてお話します。看護は人間を対象にすることから、高い人間性が求められます。そのため、相手と向き合うため接遇マナーの、育成が必要になります。その方法の一つとして、本学院は教科外活動に、接遇研修を1年次から段階的に組み入れ、人と向きあうための、基本的な姿勢を育成しています。また、看護師には、相手の尊厳を守ると言う、高い倫理性が求められます。そのため本学院では、倫理の講義の他に座禅体験や入棺体験を通して、死生観などの育成にも力を入れています。
 2つ目は実習施設の充実です。実習は、白河厚生総合病院・塙厚生病院、保育園、養護学校、保健センター、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、ディサービスセンターなどで実施しています。殆どの実習が白河厚生総合病院や塙厚生病院など、系列の病院で実習をすることができます。病院の看護師の殆どが卒業生なので「後輩を育てたい」と言う気持ちが強く、指導内容も充実しています。
 3つ目は国家試験対策に向けた取り組みです。本学院は1年次から個別指導体制を整え、ガイダンスを実施し、勉強法について細かくサポートしています。2年生から模擬試験を実施し、国家試験対策のゼミを、段階的に実施しています。学生からは「段階的にガイダンスを受けることで3年生になっても、焦る気持ちも少なく、取り組むことができる」などの言葉が聞かれています。本学院の昨年の看護師国家試験合格率は100%でした。
 教員は臨床での経験をもとに、高い実践力をもち日々学生と向き合っています。学生も30人と少人数のため、学生に合わせた学習支援、メンタル面への支援がタイムリーにできます。
 4つ目は授業料が安いことです。1年間の授業料が36万円で学習することができ、経済的にもかなり負担が少ないです。さらに、学生の生活の支援として厚生連独自の奨学資金を設けています。学生が学費などの心配がなく学習できるように配慮しています。
 5つ目として大学編入や保健師・助産師学校への進学への支援です。進学をして、自己を高めたい学生に対し、1年から段階的に担当教員からの、支援をしています。毎年4人程度の学生が進学しています。以上が本学院の特徴です。
 学生活動では手話サークルやハンドベルサークル、運動サークル、ボランテア等があり活動しています。現在は11月に開催されるJAまつりに、よさこいを披露するので、連日練習に励んでいます。ハッピをきて踊る姿は、見る人に勇ましさと力強さを感じさせるとともに、地域に看護学生を知って貰える機会でもあります。
 看護学校は机上での学習の他に、実習があります。患者さんとのかかわりを通して、自分と向き合うことが求められ、悩むことも多くありまが、専門的な知識を身につけ、人間として成長して行く学生の姿から、人が育つことの可能性について、学生から日々教えられています。
 看護教育は人間教育です。看護の対象は人間(患者・家族)であり、その対象にかかわる看護師も人間です。看護者になる学生は青年期で様々な出来事に心が揺れ動く時期でもあります。一人一人の学生に向き合う教員は、人間観をもたなければ良い人材は育たないと考えています。人との関わりで大切なことは、相手の良い所を見る目をもつということであると考えます。私達教員は「人の役にたちたい」と言った思いもって入学してくる、学生の一人一人の個性を大切にしながら、それぞれの成長を見守っていきたいと考えています。
 白河厚生総合病院付属高等看護学院はこれからも地域に貢献できる看護師の育成に努力していきます。