以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

『薄味で健康』
2015年5月放送
介護老人保健施設久慈の郷
我妻 直美

 皆様、おはようございます。塙町にあります介護老人保健施設「久慈の郷」で管理栄養士をしている、我妻直美と申します。今回は皆様に『薄味で健康』というお話をしたいと思います。
 施設に入所されている方からは、施設で提供される食事の味付けが薄いという意見をよく耳にしています。でも、ちょっと待ってください!!味付けがしょっぱい、薄いは個人差があり、年齢を重ねたり、薬、入れ歯、病気などさまざまな影響によって味の感じ方は変わってきます。味の感じ方が鈍くなると塩分の摂り過ぎにもつながります。そして、塩分の摂りすぎは血管に影響を与え、血液中のナトリウム濃度が必要以上に高くなり、それによって私たちは、喉が渇き水分を摂ります。水分を摂ると血液の量が増え血圧が上がります。血圧の高い状態が続くと血管はいつも張りつめた状態となり次第に厚く、硬くなり血管の老化がすすみ・・・つまりは血管年齢が高くなるということです。これが高血圧による動脈硬化です。塩分の摂りすぎは高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が出やすくなってくるわけです。たとえ、塩味の感じ方が衰えても、薄味に慣れることは出来ます。毎日の食生活のなかで薄味を心がけましょう。
次に薄味のコツを紹介します。

① 漬物・佃煮は控える
食べる量に気をつけましょう。

② 麺類の汁は残す
汁を全部残せば、2〜3gは食塩を減らせます。高血圧の方は一日の食塩摂取量が6gまでです。


③ かけ醤油よりつけ醤油
食べ物に直接醤油をかける、かけ醤油はついつい醤油をかけ過ぎてしまいますが、小皿から醤油をつける、つけ醤油なら口に入る醤油の量を調整できます。


④ 味噌汁は、具沢山にする
野菜を沢山使うことで、野菜からも美味しい出汁がでて味噌の使う量を減らすことが出来ます。今使っている汁椀をひとまわり小さくするのもよいでしょう。


⑤ 塩サケなど塩辛い魚を控えましょう
塩サケより甘塩サケや生サケにしましょう。


⑥ ハムやかまぼこなどお店で売られている食品の食べる量を控えましょう
目には見えませんが、作る過程で食塩が使われています。

⑦ 煮魚、煮物の味付けは薄めにしましょう

⑧塩分が少なめの調味料を上手く利用しましょう
酢、ケチャップ、少量のマヨネーズ、ドレッシング、塩分を減らした減塩味噌や減塩醤油を利用する。


⑨レモンやゆずなどかんきつ類を使う
薄味でもかんきつ類の酸味で美味しく食べられます。


⑩適度に油を使う。
揚げ物、炒め物など油の風味により薄味でも美味しく食べられます。


⑪出汁をきかせる
出汁をきかせることで、薄味でも美味しく食べられます。


⑫新鮮な食材で素材の味を楽しむ
素材の味を生かせば、濃い味付けは必要なく美味しく食べられます。

何項目か出来そうなことからはじめてみましょう。
皆様が健康で過ごせるよう、少しでもお役にたてればとおもいます。
今日も一日頑張りましょう。ご清聴、ありがとうございました。