以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

笑顔広がる看護の手
2016年10月放送
白河厚生総合病院付属高等看護学院 3年生

 白河厚生総合病院付属高等看護学院 3年生 3人の方にお話しして頂きます。


3年 鈴木真帆
 みなさん、こんにちは。学生自治会長の鈴木真帆です。
 学院生活や実習についてお話しします。学院は全校数が91人と少人数ですが、学年関係なく明るく楽しく学院生活を送っています。学生自治会活動としては、新入生歓迎会や学院祭、各種委員会活動など学年を超えてふれあう機会が多くあります。全校生で1つのことを成し遂げる達成感も大きいです。
 サークル活動も盛んで、ハンドベルサークルや手話サークルは合同でクリスマスイベントに参加し、練習の成果を披露しています。樹サークルはボランティア活動を行っており、白河市内外の様々なイベントに活躍しています。運動サークルは、バレーボールやバスケットボールなどスポーツを通して学生同士の交流を深めています。
 ここからは、私の今までの看護の学びについてお話しします。
 入学してからの半年間は慣れない学びの場で、初めて耳にする専門用語に戸惑いながらも看護に必要な専門的知識を少しずつ身につけてきました。
 はじめての臨床実習では、臨床の独特の緊張感や雰囲気を感じ、臨床で学ぶことの楽しさを知り、多くの感動がありました。
 今は3年生になり、5月から病棟や施設での実習が始まっています。私は、実習で寝たきりで話すことが難しい患者さんと関わらせて頂きました。患者さんに声を掛けたり、手や足を温めることで、私の方へ顔を向けてくれるようになりました。ご家族の方への声掛けやコミュニケーションも大切にしました。実習後半には、患者さんとご家族との信頼関係が生まれ、実習最終日には「最後までよくしてもらってありがとうございました。嬉しかったです」と涙ながらに言って頂きました。
 学院祭のテーマであった「笑顔広がる看護の手」、自分の看護の手で笑顔を広げていきたいです。


3年 金澤亜耶
 これから私が精神看護学実習で学んだことをお話しします。
 「一人にしてくれ」「話しかけないで」実習2日目、私が受け持ち患者さんに言われた言葉です。第一印象は「無表情で少し怖い」そう思っていました。「話しかけないで」と言われたとき、私は戸惑いと逃げ出したい気持ちから距離を置くことしかできませんでした。
 しかし、その後患者さんは私のすぐ傍に座り、私の方を見ていました。患者さんの行動を見て私自身葛藤もありましたが、もう一度歩み寄りたいと思いました。「隣に座ってもいいですか?」と声をかけ、患者さんは「うん」と頷きました。しばらく2人での沈黙の時間があり、言葉はなくても、一緒に時間と空間を共有することの大切さを改めて感じました。
 最初は私からの質問が多く単語での返答ばかりでありましたが、少しずつ患者さんからの質問や言葉が増え、患者さん自身の不安や悩みまで打ち明けてくれるようになりました。 
 私は患者さんに寄り添い、言葉を傾聴しました。コミュニケーションやレクリエーションによって、患者さんの笑顔を見ることができ、今まで参加していなかったラジオ体操にも一緒に参加し、帰り際には手を振ってくれるようになりました。そして実習最終日、患者は笑顔で「楽しかった」「ありがとう」と言い、「金澤亜耶さん」初めて私の名前を呼びました。私はとても嬉しく、涙が止まりませんでした。
 受け持ち患者さんとの関わりを通して、患者さんの言葉を傾聴し、寄り添うことの大切さを改めて感じるとともに、看護の素晴らしさを実感しました。
 今後、残りの実習や看護師になってからも、患者さんとの関係などで悩み、戸惑うこともあると思います。それでも今回の実習で感じたことや学んだことを思い出し、活かせるような看護をしていきたいです。
 患者さんに寄り添うことで少しでも安心感を与えられるような看護をするとともに、常に倫理観を持って看護師の役割が果たせるよう努力していきたいと思います。


3年 鈴木聡子

 これから在宅看護論実習で学んだことをお話しします。
 今回の実習を通し、自宅で生活されている療養者さんや家族の生活環境や思いを知ることができました。療養者さんとの会話で「やっぱり病院より家で自分らしい生活を送りたい、家で生活していることが生きがいになっている」と笑顔で話されていました。病院は治療の場であり、住み慣れた家や地域が生活の場であることを忘れてはいけないなと感じました。
 また、療養者さんだけでなく家族にも目を向けて関わる必要がありました。看護師が家族に対し「しっかりケアされていて身体もすごくきれいになりましたね。でも頑張りすぎないように何かあったらすぐに教えて下さいね」と話すと、少し疲れていた表情が笑顔になり安心した表情になりました。本人と家族が自宅で生活したいと考えていても、介護を行う家族が身体的にも精神的にも健康でなければ自宅での生活は難しい状態になってしまいます。家族の健康管理やこころのケアも重要な看護の一つであるということを学ばせて頂きました。
 今回の実習を通し、継続看護のためにはその人の生活習慣や思い価値観、家族や地域など周囲の人々に目を向け関わることが必要であるということを学ばせて頂きました。今回の学びを忘れず、広い視野で患者さんやその家族を捉え関わり、笑顔でその人らしい生活が送れるような看護を提供していきたいです。