以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

摂食嚥下障害について
2016年11月放送
白河厚生総合病院 言語聴覚士
中村 裕美子

 農家のみなさん、おはようございます。
 白河厚生総合病院の言語聴覚士の中村です。
 みなさん、言語聴覚士という職業をご存じでしょうか?
 初めて耳にしたという方も多いと思います。
 言語聴覚士は、話す!聞く!食べる!のリハビリの専門家です。
 話す、聞く、表現する、食べる・・・
 誰でもごく自然にしている事が、病気や事故、加齢などで不自由になることがあります。また、生まれつきの障害で困っている方もいます。
 こうした、言葉によるコミュニケーションや高次脳機能障害、飲み込みに問題がある方の日常をお手伝いし、よりよい生活を送る事が出来る様、サポートするのが言語聴覚士の仕事です。
 その中でも本日は飲み込みの問題、摂食嚥下障害についてお話したいと思います。

 摂食嚥下障害とは、病気や加齢などで食べたり飲んだりすることに支障をきたすことです。
 場合によっては肺炎や窒息事故につながることもあります。
 皆さんや周囲の方に次のような症状はありませんか?
 良くむせる。飲み込むのに苦労する。痩せてきた。薬が飲みにくい。発熱をくり返す。食事に時間がかかる。痰が多い。あてはまる項目が複数ある場合、摂食嚥下障害が疑われます。これを放っておくと食べ物や飲物が十分に摂取できないので水分や栄養が不足し、体力の低下につながります。
 また、食べ物が気管に入ると窒息や肺炎を起こすことがあります。ですから早めに気づき対応をすることがとても大切です。医師、歯科医師に相談の上必要に応じてリハビリを始めましょう。

 安全においしく食べるための工夫としては、歯磨きで口の中を清潔にし、食事の前に口や舌の体操をすること、歌や音読などをし、声をだすことが推奨されています。口の中を清潔に保つことで肺炎の予防や重症化を防ぐことができ、舌の運動や声を出すことで、飲み込みに必要な筋肉のトレーニングにつながります。
 食事の時にむせる場合は食物や水分にとろみをつけることでむせにくくなります。そして食事の時は安全な姿勢をとり、しっかりと目覚めているときに、ゆっくりと食べましょう。
 みなさん是非今日から試してみてください。


 さいごに言語聴覚士会よりご案内があります。
 今週末、11月20日 日曜日、郡山にあります星総合病院 メグレスホールにて言語聴覚士による「子供のことばとコミュニケーションの障害」についての講演会と、聞く・話す・食べるについての福島県民相談会が開催されます。
 講演会ではお子さんやお孫さんの言葉のおくれや、コミュニケーションの問題で悩んでいるかたへ向けての、ことばとコミュニケーションの基礎知識と、お子さんとの関わり方のコツやポイント等をわかりやすくお話します。
 その後の相談会では、お子さんの言葉の発達や心配事、大人の方のコミュニケーションや認知症、聞こえやムセなどの飲み込みの障害についての相談に応じます。各種体験コーナーも用意しております。講演会、相談は無料です。事前の申し込みも不要です。
 もう一度申し上げます、11月20日 日曜日、星総合病院メグレスホールにて講演会、相談会が開催されます。時間は、こどもの言葉とコミュニケーションの障害の講演会が、午前10時30から、12時まで、県民相談会が午後12時15分からです。受付は10時から開始いたします。
 相談は言語聴覚士が責任を持って対応いたします。みなさん、是非足をお運びください。お待ちしております。
 なお、詳細は福島県、言語聴覚士会 ホームページをご覧いただければと思います。

 それでは今日も良い一日をお過ごしください。最後までお聞きくださりありがとうございました。