以下の記事は、福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)「健康アドバイス」として、過去に掲載された情報のバックナンバーです。
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農家の皆さんへ

インフルエンザについて
2017年11月放送
白河厚生総合病院 安全管理室
丸山 道子

 みなさん、おはようございます。
 JA福島厚生連 白河厚生総合病院、感染管理専従の丸山と申します。
 もう、11月です。朝晩の寒さが身に染みる季節となりました。
 11月といえば、インフルエンザが流行してくる時期ですね。今日はインフルエンザについてのお話をさせていただきます。
 インフルエンザの流行時期は11月から3月と言われています。インフルエンザウイルスは感染力が強く、罹った人の唾液やつば・鼻水などにインフルエンザウイルスが含まれます。そのウイルスが咳やくしゃみなどによって近くの人に飛ばされ、そのウイルスを吸い込むことで感染してしまいます。インフルエンザに罹った場合、潜伏期間があるので、約1〜3日くらい何も症状がなく経過し、そのあと突然、高熱が出て、関節痛や頭痛がでます。通常は10日前後で症状が落ち着き、良くなっていきます。しかし、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児、呼吸器の持病のある人など治療をしている人が罹ると、インフルエンザの合併症を起こしやすく重症化することがありますので、注意する必要があります。インフルエンザに罹ると、ほとんどの人が38度以上の高熱が出て、全身の怠い感じ、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状がでます。少し遅れて咳やのどの痛み、鼻水などが出てきます。
 インフルエンザとかぜの違いは、原因となるウイルスが違います。インフルエンザはインフルエンザウイルス。風邪は、ライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルスなど様々な種類のウイルスが原因となります。
 風邪は、咳や鼻水、のどの痛みなどの呼吸器の症状が最初にでて、熱もでますが、インフルエンザのように突然の高熱はあまりでません。ゆるやかに症状が出現します。でもこれは、一般的な話で、風邪とインフルエンザの違いなんて明らかに解かりませんよね?ただ何もないところからインフルエンザウイルスは出てきません。人ごみの中にいた、インフルエンザに罹った人と接触したなどの覚えのあるとき、その後に突然の発熱・関節痛が出た場合は、インフルエンザも疑って医療機関を受診して下さい。ですが、必ずしも、検査してインフルエンザが診断されるわけではありません。これは検査が100%の検出率があるわけではないこと、検査をする時期が早くて、ウイルス量が少ないことで出ない場合があるためです。発熱があってから12時間程度経たないと検査で出ないこともあります。その時は、受診した先生の指示に従ってください。もちろん、医療機関を受診するときは、マスクを着けて下さいね。
 インフルエンザの予防対策としては、まずワクチン接種をすることです。みなさまもインフルエンザワクチン接種はお済ですか?
 アレルギーがある方はもちろん出来ませんが、問題のない方は予防的にワクチン接種をお勧めします。しかし、残念ながら、ワクチンを接種しても100%インフルエンザに罹らないわけではありません。でも、重症になることを予防することはできます。
 次に、マスクの話をします。この季節、人ごみの中に行くときは、できる限り、マスクを着けてください。プリーツマスクは、上下、裏表があります。プリーツマスクのヒダが下向きになっている面が外側、鼻回りの隙間を調整するための針金が付いている方が上になります。プリーツのヒダを伸ばし、針金を鼻の隙間が出来ないように合わせて顔とマスクの隙間が無くなるように着けてください。
 マスクから鼻が出ていたり、プリーツを広げずに付けあごの部分に隙間があったのでは、マスクの効果はなくなってしまいます。マスクは人からのばい菌をもらわないためはもちろん、自分自身のばい菌も人にうつさないためにも着けてください。これは、「咳エチケット」といいます。マスクを正しく着けることは大切です。しかし、外すときにも注意しなければなりません。マスクの外側を指でつまんで外さないことです。マスクの外側には、インフルエンザウイルスはもちろん、いろいろなばい菌が付着しています。その面を指でつまんでマスクを外すことは、ばい菌を触って手に付けていることになります。そのばい菌が付いた手を洗わずに鼻や口などを触ると、そこからうつってしまいます。マスクを外すときは、耳に掛けているゴムの部分をつまんで外してください。そして、そのマスクはゴミ箱へ捨てて下さい。外出時、予防に使用したマスクは、見た目が汚れていなくても、ばい菌で汚染されている可能性が高いです。ばい菌は目には、見えないものなのです。
 最後に手洗いです。石けんを使用する場合は、石けんを泡立てて、指先、指の間も良く洗います。流すときは、十分に洗い流して石けん成分が残らないようにしてください。石けん成分が残っていると手荒れの原因になります。手荒があると、そこにばい菌が残ってしまい、きれいにはなりません。
 手荒れ予防にハンドローションやクリームを使って手のケアをして下さい。インフルエンザにはアルコール成分の入った手の消毒剤が効果あります。お店などの入り口に置いてある消毒剤は、入る前と出る時に2度消毒を行うとい良いでしょう。そして、家に帰ったら、石けんを使ってよく手を洗い、タオルで水分をきれいに拭き取り、クリームをつけて手荒れを予防してください。
 この季節は、乾燥しやすい時期でもあります。マスクと手洗いをきちんと行って、インフルエンザを予防し、快適に過ごしましょう。
 本日は、ありがとうございました。